悩みがあっても「労組はちょっと怖い」? フリーランス新団体が発足「問題解決の受け皿になりたい」
フリーランス保護のための法令「フリーランス新法」が11月に施行される。フリーランスと一口に言っても取引先との契約形態や、業界によって、働き方はさまざまで実態はよく分かっていないところも多い。 そうしたフリーランスの働き方の実態を調査し、政策提言につなげようと2024年4月にフリーランスの団体「一般社団法人 日本フリーランスリーグ」が設立された。団体のアドバイザーには棗(なつめ)一郎弁護士ら労働系弁護士も名を連ねる。理事長の西野ゆかりさんに既存の団体との違いや、活動内容について聞いた。(ライター・国分瑠衣子)
●「労組はちょっと怖いイメージが…」と言われたことも
――西野さんは、日本労働組合総連合会(連合)でフリーランスの支援をしてきました。なぜあらためてフリーランスリーグを立ち上げたのでしょうか。 「フリーランスが抱える多くの問題を解決していくときに、労働組合から離れた立場で取り組む必要もあると思ったからです。私は2023年9月まで連合で、フリーランスの課題を解決する『Wor-Qサポートセンター』(以下Wor-Q)の運営を担っていました。それまでも長く労働組合の活動に携わり、労働法の下での労働者の人たちの声を聞いてきました」 「労働法のような拠り所のない、フリーランスの人たちから報酬支払いの遅延や、一方的な仕事内容の変更、不当に低い報酬などの問題を聞いて、初めてこんな実態があるのかと驚きました。業界によって課題が異なり、簡単ではない問題です。Wor-Qでは弁護士への相談サポートや、当事者や業界団体の担当者たちでつくるアドバイザリーボードの設置などでフリーランスを支援しました」 「連合という労働組合の中でフリーランス支援を行うことは、発注する会社側と交渉しやすくなるなど、意義があることだと思います。一方で、フリーランスの人たちから『労働組合は敷居が高い』とか『労働組合はちょっと怖い』という反応があったのも事実です。『連合です』と業界団体に話を聞きに行くと、断られたこともありました」