得意の数学で侍ジャパンを支えたい…立命館大院生の田原さん、トラックマン駆使してデータを収集
野球の世界ランキング上位12チームが争う国際大会「ラグザス プレミア12」で連覇を狙う日本代表「侍ジャパン」に、立命館大大学院の田原鷹優(けいゆう)さん(25)がデータ担当スタッフとして加わっている。同大学野球部で分析担当だった経験を買われ、データ班の一員として代表の活動に参加した。(大背戸将) 【動画】立命館大発の新興企業、2足歩行の人型ロボット公開「世界初」
10月下旬から約10日間、宮崎市内で行われた代表合宿。田原さんは連日、打撃ケージ後方に立ち、打撃練習を計測機器「トラックマン」で測定した。「勝利につながるサポートをしたい」と言い、打球速度や角度、飛距離などのデータ収集にあたった。
合宿中、宿舎で全選手のデータを頭に入れてから球場へ。数値を調子の指標にしている清宮幸太郎選手(北海道日本ハムファイターズ)らの求めに応じ、その日だけでなく、合宿での計測値の変化なども伝えた。
立命大野球部では腰を痛めたため、選手の道を断念した。それでも、チームに貢献しようと、得意な数学を生かし、2年生の夏頃に創部初の「アナリスト」に転身。味方や対戦相手のデータを分析して、作戦に生かす役割を担った。大学院でアスリートの動作解析の研究を続けながら、野球部の分析をサポートする。
日本代表のデータ班は「収集」と「分析」などを複数人で分担し、田原さんは主に打者のデータ収集を担当。昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではトラックマン社の担当者が一人で収集を行ったが、詳細な計測を望む選手が増えているため、同社と交流がある「即戦力」の田原さんに声がかかった。
大会は9日(日本時間10日)に開幕。日本は13日、バンテリンドームナゴヤで豪州との初戦に臨む。将来はプロ野球のアナリストを目指す田原さんは「貴重な機会をいただいた。スタッフにして良かったと思ってもらえるよう、精いっぱい頑張りたい」と語った。
◆トラックマン…デンマークのトラックマン社が開発した機器で、レーダーによってボールの軌道や速度、回転数など様々な項目を測定できる。米大リーグで広まり、日本でも多くの球団が利用している。