「フクならスパーンと一発でいける」中村俊輔が語る福森晃斗。何気ない会話でアドバイス「2人でしゃべって、こういうのもあるんじゃないとか」
藤枝戦のアシストは俊輔のキックをイメージ
J2のアシストランキングで現在トップに立つのは、横浜FCの福森晃斗。自慢の左足で繰り出す高精度のクロスやセットプレーで、ここまで12アシストを記録する。 【動画】俊輔のキックをイメージ!福森のFKからンドカが先制弾 同じくレフティの中村俊輔コーチに福森の技巧について訊けば、元日本代表の10番は、逆サイドへの狙いどころなどを称えつつ、「受け手がもっと裏に走れば、フクのキックの良さをさらに引き出せる」と考えている。 「対角(のパス)はあるけど、“縦”をもっと出せればいいかなと思う。たとえばワントップやシャドーの選手も、何でもない時に、いきなり動き出したりとか。フクならスパーンと一発でいける。そうすると、だんだんストレッチされて、広がって、スペースが空く」 福森に対して、俊輔も「選手と選手がしゃべるみたいな感じ」でアドバイスをしているという。「いろいろ2人でしゃべって、こういうのもあるんじゃないとか」。たとえばCKなら、状況によってはショートコーナーを入れてみたり、など。 「他の選手にも言うけど、フクはキッカーだから。もちろん、自分の感覚があるだろうし、そこまでいじろうとも思っていない。こういうのもあるんじゃない、みたいに選択肢を言うだけ。そういう話だよね」 今季に札幌から期限付き移籍で横浜FCに加入した福森。俊輔にとっては桐光学園の後輩でもある。昨季の札幌ではベンチスタートの試合も少なくなかったが、横浜FCでは不動のレギュラーとして活躍している。 「横浜FCとして、来てくれたのは本当にでかいし、フクも試合に出て、プレー時間も長くなって楽しそうだよね」 そう言って目を細める俊輔の存在は、福森にとっても大きいはずだ。4月14日のJ2第10節・藤枝戦(2-0)で、福森はFKでンドカ・ボニフェイスの先制ゴールをお膳立て。「今日のアシストは、俊輔さんが現役時代にやっていたキックの質や助走の入り方などを映像で見ていたので、それを体現した結果、上手い具合にいってくれた」と振り返る。 偉大な先達も、福森のさらなる躍動を期待しているに違いない。 取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)