【バレー】フィリップ・ブラン監督「重要な試合だった。チームの雰囲気は非常に良いと思う」 VNLスロベニア戦会見コメント
6月8日に西日本総合展示場 新館(福岡県北九州市)で行われたバレーボールネーションズリーグ(VNL)2024男子大会日本対スロベニア戦の試合後のフィリップ・ブラン監督の記者会見コメントをお届けする。 ――福岡ラウンド4試合通しての収穫や課題は? ブラン:収穫としては戦況を読む能力が上がってきたということです。ミドルブロッカーが相手の動きを見て、戦況を見るというところは上達したと思います。 トランジションにおいて石川祐希が重要な選手ではあるんですけど、今日は石川が今ひとつ調子が出ていなかった時に西田有志であったり、髙橋藍であったり、その他のオプションをいろいろ披露することができたというところが勝因だったと思います。 やはりチーム練習をする時間が非常に限られているということが困難なところだと思います。なので、試合を通してであったり、来週3日間練習の期間があるので、そこでよりコンビネーションなどを高めていきたいです。 ただ全体的にチームスピリットというか、チーム内の雰囲気は非常に良いので、それがいいプレーに繋がっていると思います。さらに今日の試合は世界ランキングでほぼ並んでいるチームが相手でしたので、非常に重要でした。 ――この後、ファイナルラウンドとオリンピックまで、どういうチームプラン、戦略などを考えていますでしょうか? さらにオリンピックのメンバー選考についての考えをお聞かせください。 ブラン:以前の記者会見では、ファイナルに行くこと自体が目的ではないと言ったかと思いますが、 やはり1試合1試合勝つために一生懸命プレーをしておいてファイナルに行かないというのはかなり難しい状況なので、そこは毎回勝利を掴みに行く。それを続けていってファイナルに進むであろうという時に、ファイナルはオリンピックのシステムと同じシステムなので、オリンピックの前哨戦としては非常に良い機会だと考えています。 オリンピック前にもう1回ヨーロッパに行かなければならないのは、もうどうしようもないところではあると思います。というよりは、ファイナルラウンドでクオーターファイナルを勝ち抜く機会を得ることができれば、オリンピックに向けて良い経験になると思います。 ――2セット目の中盤に石川選手と甲斐(優斗)選手を交代し、3セット目の中盤に石川選手と大塚(達宣)選手を代えましたが、この辺りの意図は? また、石川選手の状態をどのように見ていますか? ブラン:石川は今日全体的にあまり調子が上がっていなかった。特に第2セットでは2枚ブロックに対しての攻撃がうまく通らなかったので、そういう状況で甲斐がどのようなプレーをするかを見たかったので入れました。第3セットの大塚はまた違った交代の仕方をしていまして、後衛のバックローの時のディフェンスだけ大塚を入れて、その間石川には少しちょっと切り替えの時間を与えたいなと。交代というのはそういった使い方もするので、その選手が何かしらリフレッシュだったり、切り替えをするために少し交代をするといった意味合いがありました。 最終的にベストなパフォーマンスを出してほしいので、時にはコートの外に出て頭を切り替えて、外から戦況を見て、うまくいかなかったことは何なのかを考える時間を与えるのがいいと思っています。 石川はイタリアのシーズンが終わって代表シーズンが始まった時は、いわゆるスロースターターといいますか、少しパフォーマンスをピークに持っていくのに時間のかかる選手なので、今は少しずつ上がってきている時期だと思います。なので、あまり心配はしていません。 ――パリオリンピックの12人のメンバー決めで、特にアウトサイドヒッターとリベロをどういうところを重視して見ていくのか教えてください。 ブラン:石川と髙橋藍の2人を据えて、4人のグループとして、その2人に対してどのような人間がそのひとつのグループとして、より良いものをもたらすかということでセレクションしていきます。攻撃もパスもそうですが、石川と藍に控える選手としては、特にディフェンス力、守備の力というものをよく見ていきたいと思います。 リベロは特に難しいセレクションになると思います。2人とも実力が拮抗していますので、2人ともそれぞれに重要な試合をプレーする機会を与えています。最終的には1人に絞らなければならないというのは残念ではありますが、それを来週に決めなければならない状況です。 ――最初の記者会見の時にメダルのためにはメンタルが極めて重要だとおっしゃっていましたが、この4試合を戦ってみて、選手・チームのメンタリティについてどう感じていますか? ブラン:関田(誠大)のトスであったり、レシーバーの間に来るサーブに対してのパスであったり、そういった細かい技術的な身体的なものを皆で解決していった上で、その上でメンタル的なところの改善であったり、評価というものを期待していくので、今はよりそこの細かい部分の作業に入っている段階です。そして、来週のフィリピンラウンドからはよりそこの細かいところというのも修正されていって、そこからチームとしてメンタリティーをどのように上げていくかというのに取り掛かれるのではないかと思っています。 今まで取り組んでいたものの中でいちばん良い点としては、今までは一人のリーダーを作るというよりは、それぞれがそれぞれの場面でリーダーシップを取るということをずっと教えてきました。そして、今日の試合は特に関田がトス回しでリーダーシップをとったかと思えば、西田が攻撃でリーダーシップをとるというように、それぞれの選手がそれぞれのすべき役割を全うして、その分野で自分のリーダーシップを発揮できたというのが非常に良かった点だと思います。
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