現役『ダブルケアラー』松嶋尚美さん 介護で引越し転校も 抱える「3つの苦悩」は?
晩婚化などの影響で、親の介護と子育ての時期が重なるダブルケアラーが増えています。 タレントの松嶋尚美さんも、お母さんの介護と子育てを行なっています。 【画像】あさ5時台に起床 『ダブルケアラー』松嶋さんの過酷スケジュール&金銭的負担も大
■きっかけは妹の病気 過酷な『ダブルケアラー』の1日
松嶋さんは現在、夫(54)、長男(12)、長女(11)、そして松嶋さんの87歳のお母さんの5人で生活をしています。 松嶋さんのお母さんは、変形性膝関節症という持病がありました。 2019年に症状が悪化して手術。 回復しましたが、要介護状態となり、大阪で松嶋さんの妹の家族と同居することになりました。 現在は要介護4で、排せつ・入浴・衣服の着脱など、日常生活の全般において全面的な介助が必要です。 2019年の手術から2年後、お母さんの世話をしていた妹が、心筋梗塞で入院し、退院のメドが立たない状況になりました。 その後のお母さんのケアは、20代の妹の子どもが担当しましたが、お互いに慣れないことが多く頻繁に衝突し、松嶋さんがお母さんを引き取ることになりました。 松嶋さんの“ダブルケアラー”の1日です。 あさ5時50分に起床。 『子どものお弁当』と『家族の朝食』を作ります。 8時に子どもの学校の見送り。 9時にはお母さんのデイサービスの見送り。 それまでに準備をします。 この間、洗濯と掃除も行います。 その後、10時から17時までは仕事。 17時にデイサービスから帰ってくるお母さんのお迎えのため、それまでに自宅に戻っている必要があります。 17時30分から夕食作り、家族と夕飯をとり、片付け。 21時には子どもに本の読み聞かせや、お母さんのお風呂の介助。 22時に子どもとお母さんは就寝。 松嶋さんも23時に就寝。 ただ、夜中に、お母さんが2時間おきにトイレへ行くため、介助。 これが夜中に4~5回です。 そして、翌朝5時50分に起床です。
■要介護度4の母 同居で生活一変 予想外の事態と苦悩に直面
松嶋さんが初めての介護で直面した課題です。 同居した当初は、戸惑いがありました。 夫は高齢者と暮らした経験がありません。 当時9歳の息子は、お年寄りを怖がっていました。 ただ、当時8歳の娘は、不思議とおばあちゃんと仲良くしていたということです。 同居当初の苦悩、1つ目は『階段』です。 マンションにエレベーターがなく、体重約60kgのお母さんを夫と2人で抱えて階段を上がっていましたが、玄関まで30分かかることもありました。 そこで、お母さんのため、エレベーター付きのマンションに引っ越しました。 ただ懸念点もありました。 松嶋さんです。 「公立学校に通う長女は、転校が必要に。人間関係の再スタートなど、精神的な面で心配はあった」ということです。 同居当初の苦悩、2つ目は『薬』です。 妹家族と住んでいた大阪で複数の病院に通っていたお母さんが、処方されたすべての薬を袋の指示通り服用しました。 すると、高血圧だったお母さんが低血圧状態になり、ガタガタ震えだし、転倒してけがをしました。 その後、病院で診てもらうと、薬の重複が判明しました。 松嶋さんです。 「一緒に生活するのは、約30年ぶり。介護について知識がなく、どこまでケアしたらいいか、分からなかった」そうです。 そんな松嶋さんを助けたのが、ケアマネージャー(介護支援専門員)です。 要介護者・要支援者の相談を受けて、ケアプランの作成や行政との連絡をしてくれます。 大阪に住んでいる時にお母さんを担当していたケアマネジャーさんが、お母さんが東京に移って担当外になりましたが、その後も親身に相談に乗ってくれて、松嶋さんを助けてくれるということです。 松嶋さんがケアマネジャーさんに相談する中で、発見もありました。 松嶋さんは、お母さんの焼き魚の骨を取り、身をほぐし、食べやすくしてあげていました。 しかし、ケアマネジャーさんから 「自力でできることを手伝うのはNG。『どこから・どうやって食べよう』と、時間をかけ考えることで、手と頭の体操になる」と指摘されました。 松嶋さんが感じた、“ダブルケアラー” の苦悩です。 1つ目は、ママ友を家に招きたいが、要介護のお母さんがいるため、誘いづらくなりました。 2つ目です。 息子のサッカーの試合を見に行く際、お母さんの介護で途中帰宅するため、最後まで観戦ができません。 3つ目です。 家族でドライブする際、1時間以上かかる場所になると、お母さんのトイレが気になり、全力で楽しめません。