Jリーグの8月1日以降「観客50%動員」プランの是非
例えばJ1のホームスタジアムの収容人員は規格で1万5000人以上と定められているため、必然的に上限は5000人となる。実行委員会で詳細が確認された新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインでは、観客を入れる際の指針として「観客間の距離を1メートル以上確保する」が定められた。 J1は7月4日に第2節を開催して再開された後は、平日水曜日の同8日に第3節を予定している。したがって、現時点で描かれている青写真では無観客試合は各クラブとも2試合にとどまり、制限が設けられるものの、同11日に予定されている第4節から観客が入る光景が戻ってくることになる。 政府の目安では『ステップ3』までが「移行期間」と位置づけられていて、さらに約3週間後の8月1日からは「移行期間後」として、収容人員の50%に観客数が拡大される。例えば昨季J1王者の横浜F・マリノスのホーム日産スタジアムでは約3万6000人、観客動員ナンバーワンを誇る浦和レッズのホーム埼玉スタジアムでは約3万2000人と、それまでの5000人から一気に上限が増えることになる。 2月下旬からすべての公式戦が中断されたなかで、ファン・サポーターにとっては待ち焦がれていた状況が訪れることになる。ただ、8日に開催された日本野球機構(NPB)との新型コロナウイルス対策連絡会議では、招聘している感染症の専門家チームから慎重論も唱えられている。 政府の専門家会議メンバーにも名前を連ねる、東邦大学の舘田一博教授(日本感染症学会理事長)は「確実に進んでいる」と現状を前向きに受け止めながらも、来月10日から『ステップ3』へ入っていく上で油断は禁物だと警鐘を鳴らしている。 「緊急事態宣言が解除になった後に収束傾向は見られていますが、残念ながら北九州や東京でクラスターが出ている。その意味では、水面下で新型コロナウイルスが広がっている可能性も否定できません」