「猫の引っかき傷にキズパワーパッド貼らないで!」注意喚起に「知らなかった」→なぜ?メーカーに聞いた「やけども要注意」
皆さん、ちょっとした切り傷などの処置はどうしていますか? 筆者が子どもの頃は、「消毒液で消毒してから、ヨードチンキや軟膏塗って、絆創膏を貼る」という流れでした。でも今や消毒液は使わず、モイストヒーリング(湿潤療法)が行えるキズパワーパッドなどでケアする人がほとんどなのでは?! 【写真3枚】はがれにくい貼り方は、この手順で! でも先日、友人が猫に引っ掻かれ、傷のケアにキズパワーパッド™を貼ろうとしていて、ふと気になりSNSで調べたところ…… 「猫に噛まれた場合、絶対キズパワーパットは貼らないこと!傷口の中にばい菌が入ったまま、蓋を閉じてしまうのでより悪くなるので絶対にしては行けない!って言われた…でもそういう患者さん多いらしい…でもそう言われると納得」 「猫に噛まれた傷にキズパワーパッド的なやつ貼ってきた人いて感染してたんだけど、一番やっちゃいけないやつやからな!」 「獣医師です。キズパワーパッドは猫の引っ掻き傷、噛まれた傷には禁忌です。すぐ剥がして再度傷口を洗ってください」 こんなX(旧Twitter)への投稿を発見。そこで、キズパワーパッドについて、正しい使い方を担当者の方に聞くと、意外と知らない「目から鱗」なことがたくさんあったのです。
猫の傷だけじゃなかった、こんな傷にも使用は要注意
ーーキズパワーパッドは、普通の絆創膏と何が違うのですか? 「一般的な絆創膏や、弊社の通常のバンドエイド®は、傷の『保護』をするものです。しかし『バンドエイド®キズパワーパッド™』は傷の『保護』だけでなく『治癒』を同時に行い、貼るだけで、痛みをやわらげながら傷を早く治します。さらに、傷あとも残りにくいモイストヒーリング(湿潤療法)が行えるキズケア商品です。 実は、モイストヒーリング(湿潤療法)は医療の現場では以前から使われていた技術で、これを日本で初めて一般消費者向けに応用して販売した製品が『バンドエイド®キズパワーパッド』なんです。キズパワーパッドは、完全防水素材を使用しています。そのため、表面でバイ菌や水の侵入を防いでくれますし、貼ったままシャワーや水仕事をしてもはがれにくいのが特徴です」 ーーなるほど。貼るだけで簡単にケアできるように作られているのがポイントですよね。それだけに、どんな傷にも貼ってしまいたくなりますが、今回話題になっている「猫の引っ掻き傷にはNG」という話は本当ですか? 「はい、動物にかまれたり、引っ掻かれた傷は、感染を起こす可能性があるため、キズパワーパッド™を使用することができません。理由は動物の歯などにはばい菌が多くついており、ばい菌が傷の奥に残ってしまう可能性が高いためです。 キズパワーパッドで密閉することにより、感染を起こしたり、傷の悪化、発熱、治癒の遅れの可能性があります。そのため、動物に起因する傷は、大きさにかかわらず必ず病院を受診してください。傷のケアについてはホームページでも紹介しています」 ーーほかにも、使用ができない傷はありますか? 「以下のような傷にはご使用できません。 ① 感染がみられる、感染を起こす可能性のあるキズ (傷口の周りが赤くなっている、ズキズキした痛みが続く、膿をもっている、熱、腫れ等の異常があるキズ) ② かさぶたができているキズ ③ かみキズ・虫刺され ④ 血が止まらない深いキズ ⑤ 水で洗うだけでは異物が落とせないキズ ⑥ 重症度のわからないやけど、低温やけど ーー逆に、どんな傷に使用するのが良いのでしょうか? 「すり傷、切り傷、かき傷(ひっかき傷)、あかぎれ、さかむけ、靴ずれ等ですね」 ーーあと、キズパワーパッドの使用方法でいつも悩むのは「貼ってどれくらいおいておけばOK?」というところ! 「最大5日間保護することは可能です。ですが、最低2、3日に1回は貼付状況やキズの様子等を確認し、感染を示す症状(キズ口の周りが赤くなっていたり、ズキズキした痛みが続いたり、膿を持っていたり、熱や腫れなどの異常)がないことを確認し、必要に応じて貼り替えてください。 もし感染の症状が認められた場合は、直ちに使用を中止し、医師にご相談ください。また、端が剥がれてきたり、傷口から出てくる体液(滲出液)が多すぎて、白いふくらみが製品の端まで達したりしたときには、傷口を密閉することができず、水やばい菌などの侵入を防げなくなり、感染や化膿する恐れがでてくるので、新しいものに貼り替えてください。貼り替えの際には、必ず水道水でしっかり傷を洗浄してください」