半導体企業も巻き込む、老舗化学企業が描く循環型社会
菅野 秀夫(かんの・ひでお)/1957年生まれ。1981年三菱商事入社、2016年南海化学入社、取締役執行役員。2017年に代表取締役社長執行役員に就任。中国子会社の薫事長も務める(撮影:尾形文繁)
創業から今年で119年目を迎える老舗の化学品メーカー、南海化学(4040)。塩と水と電気から苛性ソーダなどの化学品を製造している。一方、各種工場から出る廃硫酸を独自技術で処理し、きれいな硫酸に再生させる硫酸リサイクルなど、環境リサイクル事業の国内シェアは5割弱を占めるニッチトップ企業。同事業では、半導体メーカー向けの拡大も見据えている。創業から33年後の1939年から74年間にわたり、日本製鉄(5401)系高炉メーカー中山製鋼所(5408)傘下にあったが、同社の再建策の一環で売りに出されたため、2013年に当時の経営陣がMBO(経営陣による買収)をして独立。これを機に、10年かけて不採算事業からの撤退などで経営を立て直し、2023年4月20日、東証スタンダード市場に上場を果たした。事業の強みや展望について、菅野秀夫社長に聞いた。
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永谷 薫