円は対ドルで154円台後半、日銀会合結果待ち-現状維持で155円の見方
(ブルームバーグ): 19日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=154円台後半で推移。米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が来年の利下げ予想回数を減らすタカ派的な姿勢を示し、米金利とドルが上昇した流れを引き継いでいる。日本銀行がこの日の金融政策決定会合で現状維持を決めれば、155円台を付けるとの見方がある。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は「今、仕掛ける必要はないが、日銀が利上げを見送れば1ドル=155円台に乗せ、近いうちに158円程度まで円安が進むだろう」と予想。午後の植田和男総裁の会見について、利上げを見送った場合の理由や1月に利上げできる理由について「相当突っ込んだ質問で攻められるだろう」と述べた。
FOMCは市場の予想通り3会合連続の利下げを決めた一方、2025年に見込む利下げ回数を2回に減らした。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は「政策金利のさらなる調整を検討する上で慎重になることが可能だ」と述べた。ブルームバーグ・ドル指数は2022年11月以来の水準まで大幅に上昇し、米10年国債利回りは一時12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い4.52%と5月以来の水準に上昇した。
三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、FOMC結果とパウエル議長会見は「驚くほどタカ派に傾斜していた」と指摘。「植田総裁はタカ派的な発言に踏み込まざるを得ず、曖昧な発言をすると155円を超えて円安が進む」との見方を示した。
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Saburo Funabiki