出産が迫った妊婦を病院へ 「陣痛タクシー」来年4月にも運用スタート
奈良県広陵町とタクシー事業を運営する「愛和」（王寺町）は、来年4月を目標に、出産が迫った妊婦を病院に運ぶ「陣痛タクシー」の運用を始める。両者は交通施策に関する連携協定を締結しており、今月から始まった妊産婦の通院向けの「妊産婦向けタクシーチケット交付事業」でも協力する。 チケット交付事業は、広陵町とタクシー配車アプリ大手「GO」（東京都港区）が締結した連携協定の一環で、町内に住む妊産婦がタクシーを使って医療機関で健診などを受ける際、町が発行する「GOチケット」が使えるようになる。チケットは乗車1回につき500円分で、月に1往復（千円分）を6カ月支給する。 愛和は広陵町内に旅客運輸事業部があり、GOのアプリでタクシーがつかまらない際は電話での配車に対応する。また、陣痛タクシーは専用車両1台を同事業部に常駐させ、町から妊婦の介護や対応の研修を受けた運転手が運転する予定。 同町役場で行われた協定締結式で、山村吉由町長は「自家用車を持つ家庭でも、妊婦の運転は厳しいという声に応えたい」と話し、同社の萬喜（まんき）忠雄代表取締役は「若い世代の人に住んでもらいたいという町の意向を受け、協力していきたい」と述べた。
