一般参賀、両陛下や皇族方が手を振って応える 約6万人がお祝い
新年一般参賀が2日、皇居で行われ、天皇、皇后両陛下は、長女愛子さまや秋篠宮ご夫妻をはじめとする皇族方と、宮殿・長和殿のベランダに立ち、参賀者に手を振って応えた。 【写真多数】一般参賀に訪れた人たちに手を振る天皇、皇后両陛下と愛子さま他 天皇陛下は、昨年の元日に発生した能登半島地震や各地で起こった大雨の災害などにより、「いまだにご苦労の多い生活をされている多くの方々の身を案じています」と語り、「色々と大変なこともあるかと思いますが、本年が皆さんにとって安らかでよい年となるよう願っております」とあいさつした。 午前の参賀には上皇ご夫妻も出席し、参賀者に笑顔で応えた。昨秋に右大腿(だいたい)骨を骨折し、回復途上だった上皇后美智子さまは杖を使わずにベランダに進んだ。 昨年の新年一般参賀は能登半島地震発生を受けて取りやめとなったため、2年ぶり。今年の新年一般参賀は事前抽選もなく、5年ぶりにコロナ禍前の規模で実施され、冬晴れの穏やかな日差しのもと、宮内庁によると6万690人が足を運んだ。岡山県倉敷市の作業療法士、尾藤(びとう)真奈美さん(53)は事前抽選が無くなったことで、初めて参賀に訪れることができた。朝6時から3時間半並んだが、「門をくぐっただけで特別な空気を感じた」という。天皇陛下があいさつで能登半島地震について触れたことで、「忘れちゃいけないと、ハッとさせられた。今年はしっかり災害に備え、家族が安全で健康に過ごせたらいい」と願いを込めた。 東京で働くため、ポーランドから来日したばかりのエリザ・フィリップさん(25)は、「渋谷のスクランブル交差点よりも人が多くて驚いた」。日本語で語られた陛下の「おことば」の内容は分からなかったが、全国から集った人々が笑顔で見つめている姿をみてうれしくなった。「これから、日本の人々や文化から学んで豊かな経験を積みたい」と抱負を語った。 また、1日には、天皇陛下は、皇居・宮殿で、皇后雅子さまと共に、皇族方や三権の長、各国大使らから祝いの言葉を受ける「新年祝賀の儀」に臨み、「新しい年を共に祝うことを誠にうれしく思います。年頭にあたり、国民の幸せと国の発展を祈ります」などと述べた。この日は能登半島地震から発生1年でもあり、宮内庁によると、両陛下と長女愛子さまは宮殿で黙禱(もくとう)を捧げたという。(河崎優子、中田絢子)
朝日新聞社