林姿妙宜蘭県長に懲役12年6月の判決=宜蘭地裁 腐敗防止条例違反などで/台湾
(宜蘭中央社)腐敗防止条例違反と資金洗浄防止法違反の罪に問われていた北東部・宜蘭県の林姿妙(りんしみょう)県長(国民党)に対し、台湾宜蘭地方法院(地裁)は31日、懲役12年6月、公権剥奪6年の判決を言い渡した。内政部(内務省)は同日、地方制度法の規定により林県長の職務を即日停止し、林茂盛(りんもせい)副県長を代理県長にすると発表した。 林県長やその娘、県政府職員ら15人は2022年8月に宜蘭地方検察署(地検)に起訴されたが、一部の被告が検察の捜査に不正があったとして供述を翻したことなどにより審理が長引いた。 起訴状によれば、林県長らは民間人所有の土地に課せられる土地増値税112万台湾元(約533万円)の支払いを免除した見返りに、地主に別の土地を提供させ、18年の県長選や20年の総統選の際に自身や党の活動拠点として使用。これらの取引で林県長は240万元(約1150万円)の利益を得た。また不動産収入や月給の他に1000万元(約4800万円)に上る出どころが不明の現金があり、他人から借りた金融口座で入出金するなどして資金洗浄(マネーロンダリング)を行った。 判決後、報道陣の取材に応じた林県長は無罪を主張し「台湾の司法は政治に縛られている」とコメント。必ず控訴すると強調した。 (沈如峰/編集:田中宏樹)