「箱根駅伝」を新年のスピーチに生かす4つのコツ 繰り上げスタートやシード権争い 箱根駅伝は“ネタ”の宝庫だ!
■「箱根駅伝」がドラマチックな理由 次に、「箱根駅伝」が極めてドラマ性の強いスポーツであることも、スピーチの題材に選ばれる大きな要因だろう。 箱根駅伝は、強豪チームが往路も復路も独走してしまうと結果が予想できてしまい、野球のような「逆転満塁ホームラン」に似た大番狂わせが起こりづらい競技だ。 そのため、普通なら途中で関心が薄れてしまうもの。 それでも最後まで視聴率が落ちないのは、「区間新記録」「シード権」「繰り上げスタート」といった独特のルールがあるからだ。
とくに「繰り上げスタート」は、非情かつ理不尽さを感じるルールに見える。2024年の箱根駅伝では、4校が9区鶴見中継所で繰り上げスタートとなり、涙をのんだ。 「あと1秒」「あと2秒」というところで間に合わず、10区から繰り上げスタートになってしまうケースもあり、観る者をハラハラドキドキさせる。しかしこのルールがあるからこそ、箱根駅伝を象徴する「襷(たすき)をつなぐ」というフレーズが定着した。襷をつなごうとするランナーを力強く応援したいという心理が働くのである。
さて、ここからは「箱根駅伝」を新年のスピーチネタにするときに、押さえておきたい4つのポイントを紹介しよう。次の4つである。 (1)ビジョンの重要性 (2)チームワークの重要性 (3)スキルアップの重要性 (4)マネジメントの重要性 それでは、一つ一つ解説していく。 (1)ビジョンの重要性 ~優勝以外の目標も まず第一に「ビジョンの重要性」だ。「あるべき姿」「ありたい姿」――こういったビジョンを共有することで、チームが一つになり、チームは実力以上の力を発揮することができる。
箱根駅伝に出場するどのチームもめざすのは優勝だ。しかし箱根駅伝の面白いところは、優勝以外にもめざすべき目標があること。 それが、「シード権の獲得」である。 箱根駅伝のシード権は、総合成績上位10校がもつ権利のこと。シード権があることで、翌年は予選会なしに箱根駅伝に出場できる。 そのため、たとえ優勝が難しくなっても、レースの途中から「シード権獲得」に戦略変更をするチームがあらわれ、数々のドラマ、名勝負を生んできた。優勝が決まっても、最後まで諦めないチームの姿勢が私たちビジネスパーソンの心をつかんで離さない。