エヌビディア、AI関連株の上昇持続に道開く-投資減速懸念が後退
(ブルームバーグ): 米半導体メーカー、エヌビディアは、自社株はもちろん、人工知能(AI)コンピューティング関連株の上昇に賭けるトレーダーらにゴーサインを出した。
エヌビディアが22日に発表した決算と業績見通しは再び市場予想を大きく上回り、同社の株価は時間外取引で一時7%余り上昇。データセンター向け設備投資ブームが一段落するのではないかとの根強い懸念は後退した。
サプライヤーであるアジアの半導体企業の株価は23日、市場全般をアウトパフォームしている。同社に高帯域幅メモリー(HBM)を供給する韓国のSKハイニックスは一時3.2%上昇したほか、チップを受託生産する台湾積体電路製造(TSMC)は1.5%値上がりし過去最高を記録した。日本のアドバンテストは5.2%高。ブルームバーグ・アジア太平洋半導体指数は3年強ぶりの高水準を付けた。
米国では、エヌビディアの決算を受けて、時間外取引でハードウエア関連株が幅広く上昇。サーバー・メーカーのスーパー・マイクロ・コンピューターとデル・テクノロジーズがそれぞれ4%を超える値上がりとなった。半導体メーカーのブロードコムとマーベル・テクノロジー、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も上昇した。
インガルス&スナイダーのシニア・ポートフォリオストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「われわれは技術革命の中にいるが、まだその初期段階にある。今は特にエヌビディアに対して前向きな見方をしないことは本当に難しい」と、エヌビディアの決算発表後に語った。
エヌビディア株は時間外取引で初めて1000ドルの大台に乗せた。この上昇が23日も続けば、時価総額は1000億ドル(約15兆7000億円)増え、2024年の株価上昇率は100%を超えることになる。
株価上昇に拍車をかけたのは、1対10の株式分割の発表だ。同社にとって過去3年間で2回目の株式分割となり、21年5月の前回の分割発表以来、株価は500%余り上昇した。