【速報】「登校する子どもの前でも涙が止まらなかった。検察の元トップが『同意があったと思っていた』と姑息な主張をして性犯罪被害で苦しんでいる人を恐怖や絶望に陥れている」女性検事が会見 『性的暴行』の罪を認めていた大阪地検元トップが一転して『無罪主張』へ
■「性犯罪事件でどう主張すれば無罪判決を得やすいか、被告は熟知している。しかし私は検事。正しいことを貫く」と被害を受けた女性検事
部下の女性に性的暴行を加えた罪に問われている大阪地方検察庁のトップ・検事正だった北川健太郎被告。 ■【動画で見る】「子どもの前でも涙が止まらなかった。検察の元トップが性犯罪被害に苦しんでいる人を恐怖や絶望に陥れている」と女性検事 10日、弁護人が記者会見し、一転して無罪を主張する方針を示しました。 被告側の「無罪主張」への方針変更を受け、被害者の女性検事が11日午後2時から記者会見を開き涙を流しながら「絶句し泣き崩れた。性犯罪事件において、どのように主張すれば、無罪判決を得やすいかを熟知した検察の元トップが『同意があったと思っていた』と姑息な主張をして性犯罪被害で苦しんでいる人を恐怖や絶望に陥れている」と語ったうえで、「しかし、私は検事です。検事として正しいことを貫きたい」と話しました。
■初公判では「公訴事実を認め争うことはしません」と述べ「謝罪したい」と話す
北川被告は6年前、自身の検事正就任祝いを兼ねた懇親会の席で、酒に酔って抵抗できない状態となった部下の女性検事に対し、当時住んでいた自身の官舎で性的暴行を加えた罪に問われています。 ことし10月の初公判で、検察側は「被害者は泥酔状態で官舎に連れ込まれ、気が付いたときには性交されていた。『やめて』と言ったが『これでお前も俺の女だ』と言われ、抵抗すれば殺されるという恐怖を感じた」と指摘。 北川被告は逮捕当初、容疑を否認していましたが、この初公判では法廷で「争わない」姿勢を示しました。 【北川健太郎被告】「公訴事実を認め、争うことはしません。被害者に深刻な被害を与えたことを反省し、謝罪したい」 女性検事は、記者会見で悲痛な思いを訴えていました。 【被害を訴える女性検事】「もっと早く罪を認めてくれていたらもっと私は早く被害申告できて、この経験を過去のものとしてとらえることができて、新しい人生を踏み出すことができた」
■弁護人が一転して「今後、裁判では無罪を争う方針です」と説明
しかし10日、事態が一変します。 新たな弁護人が記者会見を開き、「被害者が抵抗できない状態であったという認識はなく、同意があったと思っていて、犯罪の故意がない」などとして無罪を主張する方針を明らかにしたのです。 【中村和洋主任弁護人】「今後、裁判では無罪を争う方針です」 弁護人の説明によると北川被告は当初、「検察庁にこれ以上迷惑をかけたくない」との思いで争わない姿勢だったものの、その後の検察庁への批判などから主張を変更。 「同意があると思っていた」、「女性が抵抗できない状態だったか合理的な疑いがある」との認識を示し、女性の主張とは真っ向から対立することになったのです。