2458ccの化物バイク?! トライアンフ「ロケット3 ストームR」は巨大なのに普通に乗れる【試乗インプレ】
究極のマッシブ3気筒ロードスター
4月上旬、JAIA(日本自動車輸入組合)による輸入車の試乗会が開催されたので参加してきた。当日はさまざまな外国車をとっかえひっかえ試乗することができたので、短めではあるがインプレッションをお届けしたい。今回はトライアンフが誇る巨大なロードスター「ロケット3 ストームR」だ。 【写真】トライアンフ「ロケット3ストームR」のスタイリングとディテール
トルクが凄ぇ! でも意外なほど普通に走る
2294ccの直列3気筒エンジンを搭載した初代ロケットIII(現在はロケット3)を初めて目の前にしたとき、こんな大きなバイクをまともに走らせられるんだろうかと思ったものだった。結果的にそれは杞憂だったのだけれど、初代のですらそう感じたのだから量産バイクで世界最大排気量を誇る2458ccの最新ロケット3はさらに乗り手を威圧するのだろうか……。 まあ例によってそれも杞憂、というか車体の巨大な押し出し感という意味では最新型のほうが洗練された感があり、威圧感は少し抑制されている。サイドスタンドからの引き起こしも317kgという車重の割には苦労せずに済み、跨れば足着き性も十分。燃料タンク後端は絞られているため膝が大きく開くこともなく、しいていえばハンドルグリップがやや遠めに感じられる程度で違和感なしだ。 ──ライディングポジションはヤッターGUYこと谷田貝さんの写真にて。ステップ位置はネイキッド寄りの前めで膝の曲がりは穏やか。上半身をほぼ直立させたところから手を伸ばせば自然な位置に自然な幅のハンドルバーがある。燃料タンクとシートの繋がり部分は程よく絞り込まれていて下半身ホールドがしやすい。足はほぼカカトが接地する。【身長172cm/体重75kg】
エンジンを始動すると、3気筒の図太いサウンドを奏でながらアイドリングする。縦置きクランク特有のトルクリアクション(回転の上下で車体が左右に揺すられる)に備えたが、それは全くと言っていいほど感じない。車体は低く前後に長く、懐に巨大なエンジンを抱えているのを大柄なタンクの向こうに垣間見ることができる。 車格イメージからすると拍子抜けするほど軽いクラッチレバーを引き、シフトペダルを踏み込むと特に大きなショックもなく1速に入る。発進は余程乱暴なクラッチ操作をしない限りエンストする気配もなく、アイドリングのままスルスルと走り出す。 エンジンが冷えているとアイドリングが高めにキープされるが、その状態だとアイドリングのままシフトアップしても、たとえばスーパーカブ110あたりでそれなりに快活な加速をしたのと同程度の感じで速度が増していく。22.9kg-m/4000rpmの最大トルクは伊達じゃない。 街乗りの速度域だと2000rpmも回せば十分で、ちょっと機敏な加速をしようと思っても3000rpmを超えることはあまりなさそうだ。スコスコと小気味よくシフトアップ/ダウンでき、スロットルの開け始めや戻し始めもスムーズ。とりあえず発進して止まるだけなら免許取りたての方でも怖さを感じずにできてしまうのではと思うほどだった。