「ちょっとバカにしすぎ」楽天またも監督交代 ビジョンなきチーム運営に高木豊氏からは疑問の声
楽天は10月9日で今季のレギュラーシーズンが終了。今季は67勝72敗(4分け)でリーグ4位に終わった。また指揮を執った今江敏晃監督が今季限りの退任が濃厚となっている。昨オフに2年契約を結んでおり、就任1年目だった。 【動画】交流戦優勝を引き寄せた大きな一打!鈴木大地が放った会心2ランホームランを見る 今年は球団創設20周年の節目の年。今江監督は昨オフ、12球団最年少の40歳で内部昇格により監督に就任した。救援の安楽智大がパワハラ問題で退団、守護神の松井裕樹もパドレスへ移籍と大幅な戦力ダウンとなる中、大きな補強もなくシーズンはスタート。そんな中、先発の柱だった則本昂大を守護神へ配置転換して最多セーブ(32セーブ)のタイトルに輝かせるなどの手腕も評価された。 交流戦を初優勝に導き、レギュラーシーズンでも終盤までロッテと3位を争ったが、3年連続の4位に終わった。 一方、オフには大きな補強もなく、最終的に4位に終わったものの、1年で解任という結論には疑問も浮かぶ。指揮官の選手起用に対しての不満もあったとされるが、楽天が2005年に球界に参入して以来、20年の内、1年の短期政権で終わったのはこれで6人目となる。背景には親会社の意向もあるとされる中、今回の人事には球界内からも様々な考察の声が上がっている。 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は5日までに自身のYouTubeチャンネルに「【激震】楽天今江敏晃監督の来季契約は白紙に?就任1年目で球団初の交流戦優勝に導いた手腕…高木『これでいいのか?』」と題した動画を更新。楽天の監督人事に独自の見解を語っている。 動画は今江監督の去就が不透明になってきたことを受けてアップされたが、その中でこれまで楽天には05年の球団創設以来、1年で退任した監督が5人(田尾安志氏、マーティ・ブラウン氏、大久保博元氏、平石洋介氏、三木肇氏)いることを紹介した上で、「(1年で退任した監督が)5人もいるんだったら、珍しくもなんともない」ときっぱり。続けて「でもそれは、監督をお願いした人の人生もあるわけだから、そこらへんはちゃんとしてほしいな」と監督選定に関わるフロントに注文を付けた。 1年限りで結果が出なかったら退任という結末に戦力をいかに整えられたかもあるとして「それを監督ひとりのせいにするというのが、どうなんだろうと思う」と疑問を投げかけた。 就任1年目にしてセ・パ交流戦で球団初の優勝に導いた今江監督の手腕を「それなりにインパクトを与えたシーズン」と評し、次のように語った。 「監督が士気の下がるようなことをやったとか、そういうのだったら別だけど、結構ちゃんと戦ったと思う」と見解をのべた上で「それでクビになるのなら、あそこで監督をやるひとはいないんじゃないの?」とコメント。 現時点で後任には過去にも1軍監督を務め、今季も2軍監督を務めた三木肇氏の再登板、選手からの人望も厚い渡辺直人ヘッドコーチなどが有力候補とされる。ただ今後、外部招へいを視野に入れた場合は「外から呼んだ人はいろんなところと人脈とか道を作っている。それをゼロにして(球団に)行くという人は、もういないんじゃないかな。ちょっとバカにしすぎ。1年で何ができるんだよ」とビジョンなきチーム運営に厳しい目を向けざるをえなかった。 チーム内では今後が楽しみな若手もいるとしながら「ここでコロコロ、コロコロ(指揮官を)替えてても俺は仕方ないような気がするけどな」とコメント。短期政権が続くことで選手にも影響を与えるとし、長期的な視野を持ってどっしり構えた運営を求める場面もあった。 球界参入から20年でリーグ1位に輝いたのは星野仙一監督が指揮を執った2013年のみ。近年は3年連続4位のBクラスに沈み、不規則な監督交代も続き、東北のファンの我慢も限界に達しつつある。 求められる勝利のために何をすべきか。フロント、首脳陣、選手が一丸となって前に進むしかない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]