お金がかからないエクササイズ「ラッキング」に全米が注目、手軽に体力がつき心も軽くなる
初心者が気をつけるべきこと
一般人が行うラッキングは、軍での訓練のように過酷である必要はない。 だが、「ヨンピング(英軍ではラッキングをこう呼ぶ)を甘く見てはいけない」と元英海兵隊特殊部隊のジェフ・セイマン氏は指摘する。「正しいやり方でないと、脊椎や首、膝、腰などをひどく痛めてしまう恐れがあります」 ウィルソン氏も、「過去にけがをした人、特に膝や腰を痛めたことがある人、骨折やぎっくり腰など『機械的腰痛』の既往歴がある人は、まずは専門医に相談してほしい」と注意を呼びかける。 「軽い負荷、短い時間から始めて、少しずつ時間を長くして、そこから重りを増やしていきます」とウィルソン氏は説明する。「個人的には、体重の5~10%程度の重りから始めることをお勧めします」 ラッキングを始めるのに特別な道具は必要ない。バックパックに本や水筒、缶詰などを詰めれば十分だ。手元にあるものを重りにするときは、「均一に詰めて、重り同士がこすれ合ったり、重さが偏ったりしないようにしてください」とウィルソン氏は助言する。「個人的に一番難しいと思うのは、重さが均等になるよう、バックパックに正しく詰めることです」 ラッキングをさらに快適なものにするには、ウエイトベストや人間工学に基づいたデザインで通気性のよいバックパック、さらには腰ベルトを着用して、負荷を分散させるとよい。セイマン氏は、重いバックパックを背負う場合は、ランニングシューズではなく、サポート力があって足首の上までくる深靴を履くことを勧める。 ウィルソン氏は、ウエイトベストや人間工学に基づいたデザインで通気性のよいバックパック、さらには腰ベルトを着用して、負荷を分散させることを推奨する。セイマン氏も、重いバックパックを背負う場合は、ランニングシューズではなく、サポート力があって足首の上までくる深靴を履くことを勧める。 「ラッキングは、日常のルーティンにうまく組み込むことができる運動です」とウィルソン氏は言う。まずは平らな場所で始め、週に1~2回程度にとどめておいて、体がどう反応するか確認することだ。「我が家では犬の散歩をするときにラッキングを取り入れています。私たちのライフスタイルにぴったり合っているので」
文=Heather Richardson/訳=夏村貴子