飲食店のキーマカレー弁当で「ウエルシュ菌」による食中毒 10歳未満~70代の41人に症状 保健所「カレー、シチューなどの煮込み料理は調理したらなるべく早く」
長野県上田市の飲食店でウエルシュ菌による食中毒が発生、県の保健所が29日から3日間の営業停止を命じました。 県によりますと今月23日、「22日に店で調理、提供したキーマカレー弁当を食べた人が体調不良を呈している」と上田市内の飲食店から連絡がありました。 調査の結果、キーマカレー弁当を食べた10歳未満から70代の男女41人に下痢や腹痛などの症状が出て、患者の便や弁当の残品からウエルシェ菌が検出されました。 患者は全員回復したということです。 上田保健所は店が提供した弁当による食中毒と断定し、29日から3日間営業停止を命じました。なお、店は24日から営業を自粛しています。 【ウエルシュ菌による食中毒】(長野県健康福祉部より) ■特徴 ウエルシュ菌は、ヒトや動物の腸管、土壌など自然界に広く住み着いています。この菌は酸素を好まない(嫌気性)菌で、芽胞(がほう)と呼ばれる胞子のような形態をとることがあり、その状態だと熱や乾燥に非常に強い特徴を持っています。食品を大釜などで大量に加熱調理すると、中心部が無酸素状態になり、芽胞の状態で生き残ったウエルシュ菌が適温になると発芽し、活発に発育を始めます。こうしたウエルシュ菌が多数増殖した食品を人が食べることにより、食中毒を発症します。 ■症状 潜伏期間は6~18 時間と比較的短く、その主な症状は水様性の下痢と腹痛です。多くは1~2日で回復し、特別な治療は必要ありません。 ■予防方法 カレー、シチューなどの煮込み料理や野菜の煮物は、調理したらなるべく早く食べるようにしましょう。一度にたくさん作った時は、本菌の発育しやすい45℃前後の温度を長く保たないようにしましょう。 具体的には、小分けしてから急速に冷却(15℃以下)し、冷蔵もしくは冷凍保存しましょう。 また、食品を温め直すときは、かき混ぜながら中心部まで十分に火が通る(75℃以上)ようにしましょう。 「加熱したから大丈夫」といった過信は禁物です。
長野放送