「自分が悪い」というマイナス思考とつき合うコツ。自己批判は最大の敵
自分の強みに意識を向ける話し方
次に、「内なる批判者」ではなくあなたの強みをベースに方向性を決める決断をしましょう。 これにより、最悪のシナリオと可能性が高い最高のシナリオを考慮することができます。私が指導したワークショップに参加したある女性は、フォローアップのメールでこんな感想を送ってくれました。 「自分の思考の癖として、ひとつ気づいたことがあります。それは、たとえ真実ではなくても、自分についての否定的な思考を、脳に事実として取り込んでしまうことです。肯定的なセルフトークが大いに役立つことを知りました。頭の中のつぶやきを変えるのは手ごわいことですが、長い目で見て価値があります」 「内なる批判者」は黙らせようとせず、あなたの強みのメガホンを使って声をかき消せばいいのです。
女性が厳しい対処をすると、「怖い」と思われる
「内なる批判者」を管理すると同時に、現実世界における組織的な偏見やマイクロアグレッション(無自覚の差別行為)、悲観論者からの否定をかわす必要もあります。 そんなときは、覚悟を決めて、あなた自身の物語からぶれることなく、過剰に説明したり中傷する人に勝たせたりするデフォルトモードに戻らないようにしましょう。 例を挙げさせてください。友人のハンナは、オンラインの小売会社で運営の仕事をしていて、ベンダー(売り手)に商品を出荷させて期日内に配達させる責任を負っています。 ある日私とランチをしていたときに、ハンナは同僚のひとりと交わした気まずい会話について話してくれました。それはあるベンダーについての会議のあとに起きたことです。 そのベンダーが期日を守らなかったので、厳しいやりとりをするはめになり、ハンナは、もしも対処を怠ればあなた方に責任を求める、と伝えました。会議が終わり、部屋から出ていこうとすると、親しい男性の同僚がハンナに向き直って首を振り、「きみ、おっかない態度だったねえ」とひと言。 ハンナはショックを受けて、「ごめんなさい。期日内に配達してもらわないと私たちが大変なことになるから、責任を追及する必要があったの…」と、口ごもりながら言い訳をしました。