1Q営業益半減の良品計画、「小売りの優等生」が抱える悩み
無印良品を展開する良品計画は「価格据え置き」や「低価格」を消費者に訴求してきた。だが、業績の急激な悪化を受け、戦略の見直しを迫られている(撮影:今井康一)
1月半ばの平日夜、都内の無印良品。そこには、いつにも増して忙しく店内を動き回るスタッフの姿があった。きびきびと動く手の先にあるのは、「パイル織りスモールバスタオル」。「790円」と印字された元の値札の上に「990円」の値札シールを貼っていく。 店内では、ひときわ商品が減っているコーナーが目に付く。定番商品の1つで、A4ファイルなどの整理に使う「ポリプロピレンファイルボックス」だ。この商品を3~4個買っていた男性は、「2月から値上げするとは知らずに買いに来たが、店に来たら棚がスカスカで驚いた。無印はシンプルで品質がいいからよく買うが、ちょっと高いとも感じる」と話す。 「加速する原材料の価格高騰と円安の中、コストを吸収することが限界に達した」。無印良品を展開する良品計画(7453)は2022年12月末に値上げを発表。2023年1月と2月に2023年春夏商品の約2割を平均で25%値上げする。これまで「価格据え置き」「低価格」を強調してきた無印の値上げの知らせは、消費者や市場の間で驚きをもって受け止められた。 ただ、無印がいま直面している壁は、単なる「原価ともうけ」のバランスの問題ではないだろう。1月上旬に発表された良品計画の決算は、同社にとって非常に厳しい1年が始まったことを物語っていた。 (本記事は「 東洋経済オンライン 」でも無料会員向け記事として掲載されています)
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山﨑 理子