「掃除機」みたいな巻取りタイプ採用 フィアット、車体にAC充電ケーブル内蔵へ
スマートな充電ケーブル
フィアットは、来年発売予定の新型「グランデ・パンダ」を皮切りに、次世代EVの車体に巻取り式の充電ケーブルを組み込む。別体式が主流だが、一体化することで使い勝手を向上させる狙いだ。 【写真】大人気「パンダ」が新デザインで登場!【新型フィアット・グランデ・パンダを写真で見る】 (35枚) グランデ・パンダでは、バネタイプの充電ケーブルがフロントマスクのパネルに収納されている。充電時はケーブルを取り出し、充電スタンドに接続する。充電終了後は車体に戻し、蓋を閉じる。フィアットはこれを「充電を再発明する」斬新なアプローチだと説明している。 フィアットの親会社であるステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、「テクノロジー満載で、優れた素材を使い、美しい装飾が施された素晴らしいクルマでも、まず最初にすることは、ケーブルを地面に置くことです。そして汚れた状態でトランクに戻すのです。これではハイテクとは言えません。掃除機を見れば、もっといい解決策が見つかります」と述べている。 2025年に欧州で発売予定のグランデ・パンダは、一体型のAC充電器を使えば最大7.4kWの速度で充電可能だ。250分(4時間10分)で約190km分の電力を補充できる。 フロントに組み込まれたAC充電ケーブルは、冷却が必要なため急速充電には対応しないと考えられている。最大100kWの急速充電が可能なDC充電器は、車体側面に配置される。 新開発のスマートカー・プラットフォームをベースとするグランデ・パンダは、「2万2000ポンド(約400万円)以下」から発売されると言われている。実現すれば、量産EVとしては最も安価な部類に入る。
ウィル・リメル(執筆) 林汰久也(翻訳)