「求人票と違う」月給28万円が17万円に… 悪質すぎる求人詐欺 ブラック企業はなぜ撲滅されないのか
危険なブラック求人の“放置” 撲滅のための方法とは
労働者の自衛手段も限られている。 「条件面からブラック求人と判断できるものは比較的避けやすいが、求人詐欺は働き始めなければだまされているかどうかは分かりません。求人詐欺だと分かった瞬間に辞めたり交渉できたりすればまだ良いのですが、それができずに変更後の劣悪な待遇に合意してしまい、働き続けて心身を壊してしまう人は多いです」。坂倉氏は労働者を搾取したり、だましたりする求人票を放置することの危険性を訴えた。 転職のハードルが下がり、多くの企業で副業も認められるようになった。よりよい職につきたいという人々の思いを逆手に悪用するブラック求人を少しでも減らす方法はないのだろうか。 「『一定の労働関係法令違反の求人者による求人』の条件をもう少し緩和して、(ブラック企業からの)申し込みを不受理にしやすくする。 加えて、ハローワークでは『ハローワークが企業に対して是正指導できる』ということはあまり知られていないと思います。また、企業が求人票から条件を変更する際には、どこを変更したかを採用時に明示しないと違法になります。労働者も、求人票とは異なる働き方・労働条件を提示された場合に備えて、そのやりとりを録音するなど、証拠を残しておいてほしい。証拠があれば、ハローワークも活用しやすくなると思います。そして、ハローワークもブラック求人を載せる企業に毅然とした対応をすることを望みます」と坂倉さんは結んだ。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム