金メダリストを育てたスケートリンク 老朽化や利用者減少で廃止議論 利用者からは「残してほしい」【長野・茅野市】
数々のオリンピック選手たちが通った茅野市のスケートリンク。 老朽化や利用者の減少で廃止の議論が進む中、存続を求める声も上がっています。 11月29日から今シーズンの営業が始まった茅野市国際スケートセンター。 2日も、市内のスケートクラブに通う子どもたちが練習に励んでいました。 ■利用者 「(Qスケート楽しい?)うん。(Qどんなところが?)滑るところ」 リンクの愛称は「NAO ice OVAL(ナオアイスオーバル)」 地元出身でオリンピック金メダリストの小平奈緒さんも、このリンクに通い力を付けました。「NAOiceOVAL」の愛称は、その功績をたたえて付けられました。 ■小平奈緒選手 「こんなに自分の名前に誇りが持てる日はありません。奈緒という名前をつけてくれた両親と私を育てて下さった茅野市民の皆さんに感謝したいと思います」 1989年にオープンして以降、30年以上地域のスケート文化の拠点として親しまれてきましたが、最近は利用者が減少し、施設は老朽化。改修には6億円以上の費用が見込まれていることもあり、市の審議会は10月、「原則廃止」とする答申を出しました。 茅野市スケート協会は子どもたちの可能性を奪うことになりかねないと危機感を募らせています。 ■茅野市スケート協会 池上泰司会長 「小平奈緒さんみたいに世界ナンバーワンの選手が出るという、この実績がある所を簡単に廃止に出来ますかね。高い志を持って夢と希望を持って頑張っている子どもたちがたくさんいるので、子どもたちの夢と希望を奪うようなことを絶対にしちゃいけない」 協会では、小平奈緒さんなど地元のスケート選手たちがメッセージを寄せたリーフレットを作成。茅野市や原村などに寄贈し地元の小学校に配布しました。 また、地元の高校生有志がオンラインで存続を求める署名活動を実施しています。 利用者からも存続を求める声が上がっています。 ■利用者(市内から) 「ちょっと悲しい気持ちもある」 ■利用者(市内から) 「出来れば残してほしいですね。一番身近で遊びたい人も来れるし、競技やりたい人も出来るし皆が使える」 ■利用者(市内から) 「悲しいですよね。子どもがやっと初めて好きな事を見つけたのがスピードスケートだったので、どうしたら良いか今悩んでいるところです」 市は、諏訪地域の他の自治体とも連携しながら、来年度中に最終的な判断をする方針です。