頭の良い子は「単純な計算問題」の解法から違った 「答えを出すだけ」と「さらに工夫する人」の違い
算数の簡単な問題でも、数学の難しい問題でも、同じように「他の解き方はないか」と考えられる子のほうが、計算ミスが少なくなるだけでなく、1つの問題から得られる経験値が大きくなり、勉強の効率がいいのです。 先ほどの問題の例で言えば、正攻法での解き方ではなく、こうやって「小数と分数の変換」を学んでいれば、応用もできるようになります。 例えば「24×0.375」を計算してくださいと言われたとき、これをそのまま筆算すると計算はとても面倒くさいですよね。ミスをする可能性はかなり高いと思います。
ですが、「0.375」という数字を分数に直してみると話は変わります。これは「3/8」に変換できるので、 24×0.375 =24×3/8 =24÷8×3 =3×3 =9 というふうに、とても簡単な割り算で解くことができるのです。 ■「答えのない問題」を考えるときにも生きる 数学のような1つの答えが出る学問でこうした「別解を考える思考」をしていると、1つの答えが出ないような場面でも、複数の考え方ができるようになっていきます。
それこそ「自分は将来、どんな職業につこうか」なんて問いを考えているとき、答えを出すプロセスも答えそれ自体も、無数に存在しています。「年収で考える」という考え方もあれば、「自分がより楽しいほうを選ぶ」という考え方もあります。 複数の思考プロセスがあってよくて、複数の答えがあっていいのです。別解を考える頭の使い方ができれば、このようにさまざまな問いに対して複数のアプローチで考えることができるようになるのです。
いかがでしょうか? 1つの答え方・1つのアプローチで満足するのではなく、複数の回答の方法、「別解を考える思考」をしている人は、数学以外の分野も含めて必ず頭が良くなっていきます。 ぜひ、この思考法を自分の頭にインストールしていただければと思います。
西岡 壱誠 :現役東大生・ドラゴン桜2編集担当