投資額の半値で損切りするハメに…痛手負った72歳現役FPが教える「素人が絶対手を出してはいけない金融商品」
投資初心者には、勧められるままに金融商品を買い結局元本割れしたという失敗がありがちだ。ファイナンシャル・プランナー(FP)の浦上登さんは「私自身、投資した金額が半分になったという手痛い失敗をした。そんなリスクを避けるために、投資でしてはいけない3つのルールを伝えたい」という――。 【図表】原油先物と原油ETF動き比較 ■しくじり先生として、投資を始める人に伝えたいこと 投資で資産を増やしたいと思っている人は多いだろう。しかし、順調に資産を増やしている人はどれだけいるのか、はっきり言って、よくわからない。 投資はきちんとルールを守ってやれば、必ずしも危険なものではない。 だが、投資の周りには危険がいっぱいだ。 ここでは、その危険の実例を紹介したいと思う。 ■投資のルール1「理解できないものに投資をしてはいけない」 まず、投資をするには知識がいる。株式投資を例にとってみても、単独株に投資するのか、日経平均のような市場全体の指数にリンクするインデックス・ファンドに投資するのか、日本株にするのか、アメリカ株にするのか、株式以外でも、金に投資をするか、不動産を証券化した不動産投資信託(REIT)に投資をするのか、債券投資、例えば、アメリカ国債に投資をするのか、などなど、さまざまな選択肢がある。 これらの投資商品の値動きはそれぞれに異なる。例えば、金利が下がれば(債券の価格が上がれば)、株式が上がる。株式が下がれば、金の価格は上がる。 投資をするからには、主要な投資商品の基本的な性質や値動きの特徴は理解しておく必要がある。株式、金、不動産投資信託(REIT)、債券投資、これらの基本を理解するだけでもかなりの時間が必要だ。 筆者の経験だが、15年ほど前、原油の価格が上がると思って、原油ETFに投資をした。原油ETFとは、原油価格にリンクして価格が上下する上場投資信託(ETF)だ。そして、思惑通り、原油価格は上がったが、原油ETFの価格は下がってゆく、慌ててその仕組みを調べたが、「原油先物に投資をする」「先物の限月がくると新しい先物に乗り換えるのに費用が掛かる」など、いまひとつよくわからない説明が書かれている。結局、買値の半分近くになったので泣く泣く損切りした経験がある。 あとになって、ゆっくり調べてみると、先物取引とはデリバティブ(金融派生商品)の一種で、先物には期限があり、期限が到来する前に、新しい先物に乗り換える必要があるが、価格差があることが多く、その費用が掛かる、また、乗り換えるときに取引業者から手数料をとられるなど、原油ETFの仕組みがおぼろげながらわかってきた。