F1オーナー企業のリバティ・メディア、MotoGP買収計画に向け資金調達完了。EU規制当局が最後の壁か
F1のオーナー企業であるリバティ・メディアは、2024年に二輪最高峰シリーズであるMotoGPの買収計画を発表しており、その計画進捗状況について最新情報を明らかにした。 【ギャラリー】15年ぶり日本人ライダーの王者誕生! Moto2チャンピオン小椋藍、喜び噛みしめる リバティ・メディアは第3四半期の決算発表を実施し、CEOのグレッグ・マフェイはそこでMotoGPの買収計画の進捗を説明した。 MotoGPの買収額は42億ドル(約6111億円)とされているが、このための資金調達のためにリバティ・メディアはF1の株式を一部(約5%)売却。この売却は8億ドル(約1221億円)規模となるが、四半期決算の中でそういった取引を完了し「MotoGPの取引に必要な資金を全て確保した」と説明した。 リバティ・メディアが資金調達という準備を終えつつある一方で、MotoGPの買収にはまだ規制当局による承認というハードルも残っている。特に欧州ではフォーミュラEの共同創設者であるアレハンドロ・アガグが声高にこの買収計画を批判しており、欧州委員会に対して調査を要求している。 マフェイCEOはこの件が乗り越えるべき最後の障害となっていると明かし、現在は当局側との折衝中だと語った。 「話は前後するが、MotoGPの取引の最新情報をお伝えする」 「我々は欧州委員会との交渉を引き続き進展させていて、これが我々に残る唯一の規制管轄上のハードルとなっているが、年末までにはクローズできると引き続き予想している」 またマフェイCEOは、10月末にスペイン・バレンシアで発生した豪雨災害から、MotoGPとその運営を行なうドルナが最終戦バレンシアGPを中止し、バルセロナでの代替戦開催へと変更する素早い対応を見せたことを称賛した。 「我々は迅速かつ思慮深い対応を行なったカルメロ(エスペレータ/ドルナCEO)とMotoGP経営陣のことを称賛したい」 「彼らは方向転換し、最終戦をバルセロナでの開催とし、バレンシア地域への連帯を示す形で実施することを決めた」 「その週末にはバレンシアの救助活動への支援のため、様々な行動が行なわれていくことになる」 「事業の最新情報になるが、MotoGPは統括団体であるFIM(国際モーターサイクリズム連盟)と2060年までの契約を延長しており、2025年の18ヵ国、全22戦のレースカレンダーを発表し、シーズン終了後には新たなブランドアイデンティティも発表する予定だ」 「我々は、よりエキサイティングなレースとリバティの関与を楽しみにしている」
Mark Mann-Bryans