【11月から】今すぐわかる「フリーランス保護新法」とは?押さえておきたい7つの禁止事項
フリーランスの定義が曖昧?労働基準監督署の判断
さて、それでは「フリーランス」とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。 一般的には「企業に所属せず、個人として契約を結び仕事を請け負う形態」を指します。しかし、問題はその契約形態が多様であるため、労働基準法における労働者としての権利が適用されるべきかどうかが不明瞭になる点です。 労働基準法では、労働者の定義を「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」としています。 そのため「企業に所属しない」つまり「使用されない」存在であるフリーランスは労働者に該当しないため、労働基準監督署としては労働基準法の適用外であるという判断がされます。 そのように判断された場合、労働時間や報酬、社会保険などの面において労働者として法律に保護してもらうことができないのです。 フリーランス保護新法では、法律の適用対象となるフリーランスの定義を以下のように示しています。 【フリーランス保護新法における「フリーランス」(特定受託事業者)】 業務の相手方である事業者であって、次の1および2いずれかに該当するもの 1.個人であって、従業員を使用しない 2.法人であって、一の代表者以外に他の役員がなく、従業員を使用しない ※フリーランス新法では、法の適用を受けるフリーランスを「特定受託事業者」と呼び、フリーランスに業務を委託する企業を「特定業務委託事業者」「業務委託事業者」と呼びます。
偽装フリーランスとは
偽装フリーランスとは、名目上はフリーランスとして扱われながら、実質的には雇用関係にある状態を指します。 フリーランスとの契約は一般的に「業務の時間」や「業務の方法」などを決めずに業務の成果物の対価として一定の金額を支払うものです。 しかし、これらに制限を掛けて会社に都合の良いように業務の方法や報酬の決定方法を設定している場合に、偽装フリーランスに該当する可能性があります。 先ほども説明した通り、フリーランスは労働者としての労働時間や賃金計算、社会保険上での保護を受けることができません。 偽装フリーランスの状態は、企業が社会保険の負担を避けるためや、社員と同等の権利を与えないようにするために利用される可能性があり、危険視されています。 この問題が徐々に表面化し、社会問題として認識されるようになったことも、フリーランス保護新法が制定された背景の一つとなっています。 【フリーランスの労働者性の主な判断基準】 1.発注事業者の指揮監督下の労働ではない(次の要素により判断)・業務を受注するかどうかを自由に決定できる・業務の内容や進行方法について具体的指示命令がない・業務時間や業務場所を管理されていない・代替者による業務も認められている 2.報酬に労務対償性がない※労務対償性・・・労働の時間数により報酬が決定されるなど