「都内有数のバードウォッチング名所」「森があるだけでも住むに値する」…。あの勝海舟も愛した大田区・洗足池は“住むと、ちょっといい街”だった
話を伺ったのがちょうど昼時なので、ランチをいただいた。人気の「あればラッキー焼肉定食(1500円・税別)」である。 質の良い仙台牛の上ロースの切り落としだ。程よくのった脂が美味だった。名前の通り、あればラッキーの品である。1日5~6食しか用意できないこともあるそうだ。 ■世界はここからはじまる ランチを済ませ、街歩きを続ける。長原駅から歩いて10分ほどの場所に面白い店を見つけた。古民家カフェ兼レンタルスペースの「もなりざ邸(大田区上池台1-13-4)」だ。
代表の深瀬かおるさんは、この地で長く託児室を運営していた人である。5年前に託児所を閉めてもなりざ邸をオープンした。 この日は、関西の大学生たちがスペースを利用して勉強会を開催していた。 もなりざ邸のオーナー深瀬さんが、界隈の印象について教えてくれた。 「ここらへんは、自治会がしっかりしていて、商売がしやすいと思いますよ。クリスマスとかハロウィンのイベントなども盛んで、街全体で楽しんでるような雰囲気です。
私も長くこの街で仕事をしています。初めは保育士として託児所を運営していました。数年前から、フリースペースのもなりざ邸を始めました。カフェとしても地域の人たちに利用してもらっています」 ここから少し歩けば、片側2車線の大通り中原街道に出る。これを越えれば、落ち着いた住宅街が広がる。 これは慶楽苑の鈴木さんも語っていたことだが、最近は若い世代の家族も増え、街そのものに活気が出てきているのだという。 「この街は女の人が元気なんですよね。自治会の催しなども、女性たちが率先して頑張っている感じ。そうしたつながりも強いので、子育てなどでも相談できる人が多くて、そういう意味でも住みやすい街なのかもしれません。
長原駅の周りは静かなんですけど、旗の台駅まわりの繁華街にも、自然が豊かな洗足池にも自転車とか徒歩で行けるので、便利です。残念ながら、お店は2024年の12月いっぱいで閉じるのですが、今後は子どもたちに学習支援を行う場として上野さんという塾講師の方が、引き継いでくれることになっています」(深瀬さん) ■近所で野鳥が撮れる街 長原駅から北西方向に少し歩くと、中原街道に突き当たる。これを越えると、皆さんが話してくれた通り、落ち着いた住宅街だ。