IBF王者・西田凌佑に難敵!? 挑戦者のトレーナーは勇利アルバチャコフを破った元世界王者
15日に大阪・住吉スポーツセンターで開催されるプロボクシングIBF世界バンタム級タイトルマッチで王者・西田凌佑(28=六島、9戦全勝1KO)に挑む同級14位アヌチャイ・ドンスア(28=タイ、16戦全勝7KO)が12日、大阪市住吉区の六島ジムで練習を公開した。試合の模様はU―NEXTで独占ライブ配信される。 【写真】97年11月12日、札幌で行われたWBC世界フライ級王座統一戦で勇利アルバチャコフに左フックを当てるチャッチャイ シャドー、ミット打ちなどで軽く体を動かしたアヌチャイは世界初挑戦で海外遠征も初めて。「とても興奮している。チャンスをもらえて、うれしい。小さいころから世界チャンピオンになりたかった」と意気込んだ。10代前半でムエタイをはじめ10年以上で約100戦を経験した。その後にボクシング転向し、22年5月にプロデビュー。「ボクシングには以前から興味があった。ムエタイの経験が生きている部分はたくさんある。ただ、全然違うところもあるので難しい部分も当然ある。一生懸命に練習してきた」。右ボクサーファイターで、ここまで16戦全勝。IBFの地域タイトルを獲得し、その世界ランクに名を連ねた。 ムエタイ経験があり、近距離の打撃戦をいとわない印象を受ける。「いつもはそれほど打ち合いをしない。ただ接近戦もできるように練習している」と話した。トレーナーのチャッチャイ・サーサクン氏は「アヌチャイはテクニシャン、技術で勝負するタイプ。それでも試合になれば打ち合わないといけない場合はある。対応できるようにしている」と説明した。寒い日本でも体重調整に支障がないように、タイ出国時にリミット53・5キロを1キロ超える程度まで仕上げたという。 指導するチャッチャイ氏は元WBC世界フライ級王者。97年5月に同暫定王座を獲得し、同11月に来日して札幌で正規王者の勇利アルバチャコフに12回判定勝ち、正規王者となり2度防衛。98年12月に、のちの6階級制覇王者マニー・パッキャオに8回KO負けして陥落した。指導者としては元WBA世界ミニマム級のスーパー王者ノックアウト・CPフレッシュマートや元WBC世界ミニマム級王者パンヤ・プラダブシーなどを輩出している。同氏は「左構えのスパーリングパートナーを用意して対策を十分にやってきた。アウェーでの心構えなど自身の経験を踏まえ、助言している。実際にどう戦うかは当日のリングで見てほしい。遠い距離でも大丈夫だし、近い距離でも戦える」などと余裕たっぷりに話した。