Pontaの成功から学ぶ、「キャラクターマーケティング」の重要ポイントを制作者に聞いた
キャラクターマーケティングを成功させる「4つのポイント」
キャラクターマーケティングの成功事例といえば、熊本県の「くまモン」、滋賀県彦根市の「ひこにゃん」、不二家の「ペコちゃん、ポコちゃん」、日清チキンラーメンの「ひよこちゃん」、ゼスプリの「キウイブラザーズ」などが挙げられる。糸乘氏が手がけた「Ponta」や「ナナナ」も、その1つだ。
成功するキャラクターマーケティングには、どんな共通点があるのだろうか。糸乘氏は以下の4点を挙げた。 ■ [ポイント1] 造形がシンプルである さまざまなメディアに露出したり、ぬいぐるみにしたり、着せ替えたりする際に、複雑な造形であるとアレンジのハードルが上がってしまう。使い勝手の良さを考慮して、なるべくシンプルなデザインにすると良い。 ■ [ポイント2] 無条件で好きになるような「かわいさ」がある キャラクターとして親しんでもらうには、誰が見ても「かわいい」と思える魅力のわかりやすさが求められる。まずは「かわいさ」や「インパクト」が優先で、顧客が無条件に反応してしまうようなキャラクターの造形が大事。 ■ [ポイント3] サービスや商品をふわっと想起させる 商品やサービスを直接的に連想させるよりも、ふわっと伝わるぐらいがちょうどいい。キウイブラザーズのように商品そのものをキャラクターにした成功事例もあるが、多くは商品やサービスをそのままキャラクターに落とし込んでいない。 たとえば、Pontaは「ポイントがポンポンたまる」というサービス特徴をなんとなく想起できるように意識してデザインや名前を決めている。ダイキン工業の「ぴちょんくん」も、エアコンという商品そのものではなく、商品の特性をイメージできるような「しずく」をモチーフにしている。 ■ [ポイント4] 競合と差別化できている
たとえば、糸乘氏が手がけたテレビ東京の「ナナナ」は、他局が動物を用いていたのに対し、フルーツをモチーフに採用している。これには、テレビ東京が持つ独自性を強調させる狙いがある。ナナナの誕生はデジタル化のタイミングであり、12チャンネルから7チャンネルに変わることを認知してもらう必要があったため、「7」の形を表すことができる「バナナ」を選んだという。