バドミントン・大堀彩 現役生活を終え「やりきった、すがすがしい気持ち」 父にも感謝「初めて褒めてもらった」
バドミントンの年間王者を決めるワールドツアー(WT)のファイナルに出場した日本代表が16日、開催地の中国・杭州から成田空港に帰国。パリ五輪女子シングルス代表で、今大会を最後に現役引退を決めた大堀彩(トナミ運輸)が取材に応じ「今はすっきりとした気持ちが大きくて、最後までやりきった、すがすがしい気持ち」と率直な思いを語った。 世界ランク9位で臨んだ現役最後の大会は、同12位のB・オンバムルンパン(タイ)を退けるなど3連勝で1次リーグを突破。14日の準決勝で韓悦(ハン・ユエ、中国)に0―2で敗れたが、3位決定戦が行われないため銅メダルを日本に持ち帰った。「しっかりと準備をして臨んだけど、正直ここまでのできというのは自分でも想像していなかった」と大堀。トナミ運輸で指導を受ける父・均さんからは「試合が終わった後に特別に声をかけられることはこれまでなかったけど、今回は初めて、最後の最後に声をかけてもらって」と明かし「お疲れ様、よく頑張ったと初めて褒めてもらった。頑張れたのも、父の存在があったから。今は感謝の気持ちでいっぱいです」と、万感の表情だった。 6歳で始め、22年間続けてきたバドミントン。長身169センチから繰り出す鋭いショットを武器としてきた。五輪も経験したこの1年は「バドミントンの競技人生は長かったけど、今までのことがあまり思い出せないくらい、この1年の中身が濃かった。最高の形で引退を迎えることができたのは、本当によかった」。自身の現役生活については「苦しかった印象の方が多い」としつつ「周りの人や他人への憧れが強かったけど、今全て終わってみて、最後は自分が自分でよかったな、と思えたので。後悔はまったくない」とした。今後は未定だが、バドミントン界への思いも秘め「何らかの形で、バドミントンには関わっていけたら」と語った。父の均さんは、来年1月から日本代表のヘッドコーチに就任。五輪5大会を率いた朴柱奉(パク・ジュボン)氏の後を継ぐ。 ◆大堀 彩(おおほり・あや)1996年10月2日、福島県生まれ。28歳。小学1年からバドミントンを始める。福島・富岡第一中を経て、富岡高2年時の2013年、アジアユース(19歳以下)選手権で日本勢初優勝。世界ジュニア選手権では準優勝で、将来を有望視された。高校を卒業後の15年にNTT東日本に入社し、16年にトナミ運輸に移籍。17年USオープン優勝。18年に日本代表トップのA代表入り。21年に下部のB代表に降格したが、24年夏、パリ五輪の初代表入り。全日本総合選手権では3度の準優勝。左利き。169センチ。
報知新聞社