子どもが奨学金を借りることは「親として恥ずかしい」?…結婚を決めた相手の両親に、自身の親をけなされた女性が「破談を決意した理由」
縁起でもない女にされた
憲法では〈婚姻は両性の合意のみに基づいて成立〉すると規定されているが、ほとんどの場合、当人同士の感情だけで決まるとは限らない。両家の親との交流も始まるため、なかなか無関係ではいられないからだ。 【マンガ】追いつめられた女性が「メンズエステ」の世界で味わった「壮絶体験」 とはいえ「よほどの相手」を連れてこない限り、子供の結婚に親が口出しをするのは「野暮なこと」だと考える方が大多数を占めているのではないだろうか。 結婚相手の「両親ガチャ」でハズレを引けば、相手の両親の見栄や偏見、無知、エゴイズムなどによって凝り固まった「常識」をふりかざして、結婚に猛反対してくることも起こり得る。そんな災難としか言いようのない状況に巻き込まれ、悲劇に見舞われたカップルの事例を引き続き紹介する。どうか、彼らの嘆きを聞いて欲しい。 前編記事「「結婚の話はなかったことにしてほしい」…“実家が団地住まい”の女性が、相手両親に「結婚を反対された」許しがたい理由」よりつづきます。 大塚清香さん(仮名・27歳・会社員)のケースは、「借金」への偏見である。 「彼(29歳)は会社の同期です。入社当時から意気投合し、すぐに交際に発展しました。2年ほど交際したところで結婚を意識しはじめ、お互いの実家にも行き来する関係になりました。そして彼から正式にプロポーズされたので、あらためてお互いの親に挨拶に行こうという話になったのです」 交際2年、お互いの親との交流も深めて2年、計4年間の交際期間の中で彼の人となりは十分わかっていた。社会人としてお互いが自立している。結婚生活の地固めは完璧で、ふたりの結婚に「反対する理由」はないように思われた。 「実際、彼のご両親に挨拶すると、『清香さんなら大歓迎。これからもよろしくね』とすぐに結婚を認めてくれました」 ところが挨拶も終わり、食事に出かけたところで「手のひら返しされた」という。清香さんは「縁起でもない相手」にされてしまったのだ。
清香さんの両親まで「侮辱」され
挨拶も無事終わり、実家近くの「ちょっといいお店」に招かれ、和気あいあいとおしゃべりと食事をしていた時のことだ。 「私の大学時代の話になって、その流れで私が『奨学金を返済中である』ことを伝えた途端、彼の両親の顔色が変わったんです。彼のお母さんに『結婚したら、その奨学金は誰が払うことになるのかしら?』と聞かれたので、『共働きなので私の給与から払います』と言ったら、『もし、妊娠や出産で働けなくなったらどうするの?』『うちの息子が払うことになるんじゃないの?』などと、ものすごくイヤそうな顔で言われてしまって…」 想像もしていなかった突然の追及に清香さんが言葉に詰まらせていると、今度は彼の父親が口を開いた。 「うちはね、息子を大学院まで入れたけど、奨学金なんか借りてないんだよ。何百万なんて借金を将来息子に背負わせたくないという親心でね。清香さんのご両親はそういうこと考えなかったのかな?」 まるで娘に奨学金を利用させたことが「親として恥ずかしいこと」のような物言いで、彼の両親は清香さんの親を「断罪」。 母親は眉間にしわを寄せながら「悪いけど、借金持ちの娘さんなんて遠慮したいわ」と言い放ち、頷きながら父親は「そうだな。縁起でもないよな」と同意したという。