すべてに全力投球する人に。「燃え尽き症候群」を避けるための取り組み3つ
人事マネジメント・コンサルティング会社Mercer(マーサー)が2024年に行なった調査によると、燃え尽き症候群のリスクを感じている従業員は、全体の82%に及ぶとのこと。 こうした現象が、単なる疲労の問題以上のものであることは明らかです。 燃え尽き症候群は多くの場合、「すべきこと」や「しなければならない」という重荷を伴っており、それが生活や働き方を支配しています。
燃え尽き症候群とは?
私が定義する燃え尽き症候群(英文記事)とは、変える力がないまま同じ結果を繰り返してしまう感覚のことです。 つまり、「すべきこと」や「しなければならない」という道が機能していないにもかかわらず、それに代わる選択肢が存在しないと感じている、ということです。 燃え尽き症候群はしばしば、人生で大きな成果を達成した時に現れます。期待していたレベルの満足感を得られるどころか、「この状態が本当に、私が期待していたものなのか?」と自問してしまうのです。 「ノー」が自分の人生を取り戻すキッカケに 私は以前の記事(英文記事)で、私自身の燃え尽き症候群を乗り越えるためには、「ノー」という言葉との関係を再構築することが役立ったと書きました。 長い間、「すべきこと」や「しなければならない」にしたがってきた私にとって、「ノー 」という言葉は、自分の主体性を取り戻し、自身のゲームのルールを書き直すのに役立ちました。 つまり、「ノーと言うこと」に慣れることは、私が生きたいと思う人生を取り戻すための第一歩でした。では、「ノー」は、私の生き方にどのように反映されたのでしょうか?
1. 人生のさまざまな領域における「課題を再定義」する
私はこの変化の時期に、自分の人生におけるさまざまな課題の中で、「自分がどうあるべきと思うか」ではなく、「自分がどうありたいか」をもっと明確にする必要があると気づきました。 自分が果たしてきた数々の役割において、たとえば職場や友人、家族、コミュニティ、そして自分自身に対して、私はどのような存在だったのでしょうか? 私の場合、燃え尽き症候群の主な要因は、人生のあらゆる領域で、「すべての人に対して全力を尽くす」という大きなプレッシャーを自分にかけていたことでした。 世間が「すべてをこなさなければならない」と言うとき、それはたいていの場合、目に見えない基準を満たそうとし、すべてにおいて「上手くこなそう」とすることを意味します。 つまり、母親、リーダー、友人、妻、または従業員であれ、どのような立場においても高い基準を設けてしまっていたのです。 世間の目ではなく、自分で再定義を そこで私は、「自分にとってそれが何を意味するのか」を意図的に定義したらどう変わるだろうかと自問しはじめました。 そして、「すべきこと」から「どうありたいか」へと考え方をシフトさせるためには、自分の人生の課題を書き換える必要があることに気づきました。この作業を通じて、いろいろなことが非常に明確になりました。 たとえば、私は母親としての課題を、「良い母親になる」から、「知恵と愛をもって子供たちとつながり、世話をする」に再定義したのです。 自分の課題が明確になると、優先順位をつけるのがずっと楽になりました。大事なことは、完璧でバランスの取れた夕食を毎日つくることではない。優先すべきことは、オートミールを食べながらでも良いから、一緒に座って夕食を食べることだったと気づいたのです。