ロゼワイン「おじさん」と楽しむ、今が旬な「たらの芽」おつまみ
季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。今回は、絶妙なほろ苦さで山菜の王様と呼ばれる春の味覚、たらの芽をロゼワインで楽しむ! 【写真】今が旬な「たらの芽」レシピ
春の光がきらめくようになる頃。店先には山菜が並び始める。たらの芽が山菜の王様と呼ばれるのは、その食味の良さからだ。繊細な苦味と香り、ほっくりとした食感はシンプルに料理するだけで、存在感のある春のごちそうとなる。 「やっぱり揚げ物は外せないですね。誰でも失敗なくカリッと揚がる衣のレシピでご紹介します。たらの芽はアクの強くない山菜なので、ワインを合わせるのなら、繊細なタンニンのものがいい。ニュージーランドのナチュラルなロゼワインを選びました。ワイン業界の有名人、藤巻一臣さんとNZの醸造家アレックス・クレイグヘッドによる新ブランド。びっくりするワイン名ですが、ピュアで美しい味わいのワインです」(平野さん)。
たらの芽のフリット
<材料 2人分> たらの芽8個、薄力粉大さじ2、オリーブオイル大さじ1、水30~40ml、揚げ油適量 <作り方> 1 たらの芽の根元のはかまと言われる茶色い部分を手でむく。 2 ボウルに薄力粉とオリーブオイルを加え混ぜてから、水を加えてさらに混ぜる。 3 たらの芽を衣のボウルの中に入れて衣をまとわせる。薄くなるように余分な衣は落とす。 4 油を170~180度に熱し、3を加えて揚げる。1分半程度が目安。塩を添えていただく。 <ポイント> 衣は薄力粉にオリーブオイルを加えて混ぜる。オイルがグルテンの生成を妨げ、カリッと仕上がる
【今月のお酒セレクト:OJISAN ROSE 2022】
ワインの名は時を経て、二人の醸造家がOJISANになったことから、つけられた。藤巻さんはイタリアンレストランのゼネラルマネージャーを経て、50代に差し掛かった頃に醸造家に転身、世界中でワインを手がける。90%のメルローにピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネールを加えた非凡なロゼワインだ。「心地よく、きめの細かな味わいは食材にすっと染み込むよう。こういうワインを合わせると、料理のおいしさも伸びやかに感じられます。エスニック料理などに合わせるのもいいですね」(平野さん)。 BY YUKIKO HIRANO 平野由希子 素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。