相続争いが起きる理由とは? 「争族」を避けるには「親子のコミュニケーション」が必須?
相続という言葉と同じように使われる「争族」という言葉、残念ながら少しずつ世の中に広がりつつあります。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる? 相続では争いがつきもので、というような報道等がされることにより、「争族」という言葉が知られてきているようです。 しかし、争いはできる限り避けたいものです。そのため、「争族」を避けるために必要なことをお話しします。
相続で争いが起きる1番の理由は?
筆者が相続に関して相談を受けている中で、争いが起きる原因の多くが、親子間のコミュニケーション不足だと感じています。親の思いと子の思いのずれが原因とも言えます。 相続について、親は自分の思いを子に伝えることを避けがちで、子は親の思いを聞くことを避けがちではないでしょうか。そのため、親に万一のことが起きたときに初めて、子は親の思いを知ることになります。 子は想像で、これぐらいは親から相続で財産を引き継げるだろう、という皮算用をしていることもあり、その思いと実際の引き継ぐ財産が異なると、「この相続は間違っている」と思ってしまうのです。 さらには、自分自身と比べて兄弟姉妹の引き継ぐ財産が多いような場合、「なぜ自分より弟の方が多く財産を引き継いだのか」ということになります。こういった思いのずれが、争いに結びつく可能性があるのです。
親子間のコミュニケーションの取り方
争いの原因が親子間のコミュニケーション不足だと言われても、どのように改善すべきなのか分からないことも多いはずです。実際には、親子仲が良く、コミュニケーションはとれていると思う人であっても、争族に結びついたケースもあります。 では、どのようにコミュニケーションをとれば良いのでしょうか。 答えはシンプルです。「お金の話題」でコミュニケーションをとる必要があるということです。日本人の多くはお金の話題をタブー視しがちで、それは親子間であっても同じようです。 例えば、親は子が喜ぶと思って「兄には有価証券を、弟には不動産を」と、相続について決めて安心していたとします。一方、子は親がそのように決めていることは知らないので、それぞれが「(兄)あの不動産をもらって賃貸にだして不動産収入を得よう。」「(弟)あの不動産を売却してそのお金を使って資産運用しよう。」などと皮算用して意見に食い違いが生じることがあるのです。 お金についてのコミュニケーションをとっていないと、この食い違いをもったまま、親の万一のときを迎えます。こういった食い違いをなくしておくためにも、親子のコミュニケーションが大切になるのです。 できれば年に数回は親に実際に会って話をする機会を作ると良いでしょう。住まいが遠方で会えない場合は、電話でも良いので、しっかり親と話をしましょう。