「コミュニティ」を通してオンラインとオフラインを融合…ホームセンター〈カインズ〉が目指す「DIY」の未来のカタチ【対談】
コミュニティメンバーの年間購入額は、会員平均の1.8倍
小父内 コミュニティ内では、さまざまなデータが取得できます。御社がコミュニティ内で行っているデータ分析と、その結果について教えてください。 澁谷 コミュニティに所属するメンバーはカインズ会員様の平均と比較して、1.8倍ほどカインズでの年間購入額が高いことが分かっています。また、コミュニティメンバーはアクション回数などに応じて1~5段階にランク分けされているのですが、ランクごとに見てみると、ランク5(最高ランク)のメンバーはカインズ会員様の平均と比較して、年間購入額が6.4倍高いという結果が出ました。購買時点以外でお客様と継続的に関わり続け、コミュニケーションをとることができるため、お客様のロイヤル化にもつながっています。 小父内 それはとてもわかりやすい結果ですね。ランク5の方たちの属性をさらに細かく分析していくと、より詳細なデータが取れるかもしれませんね。ちなみに、ランク5になると何か特典のようなものはあるのですか? 澁谷 ランク5になると最上位を表すバッジが付いた非売品の「プラチナエプロン」やオリジナルのノベルティ等がもらえるという特典があります。プラチナエプロンをつけてワークショップに参加されたり、刺繍やペイントをしてオリジナルのものにカスタムされたりしている方もおり、金銭的な価値よりもモチベーションにつながっているようです。 小父内 プラチナエプロンというのは面白いですね。非常に活性化している御社のコミュニティですが、運営する上で、どのようなKPIを設定されていますか? 澁谷 KPIは会員数のみを設定しています。DIYを文化にするということがミッションですので、コミュニティがあることで売上を上げるのではなく、ファンを増やしていくことでおのずと売上が上がっていくと考えています。 小父内 どのような導線でファンを増やしていこうとしているのでしょうか? 澁谷 現在はカインズアプリを中心に告知を行っています。最近はキャンペーンをきっかけに告知をしている形なので、継続的な流入が課題となっています。カインズは「DIYer100万人プロジェクト」としてDIYを文化にすることを目指しているので、今後はカインズ会員様以外のDIYが好きな方に向けてもコミュニティを拡大していきたいと考えています。 小父内 信也 株式会社Asobica 取締役CCO
小父内 信也
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