一橋卒→“ドラァグクイーン界の仏”に…52歳になったエスムラルダが語る、嫉妬しなくなった理由「若い頃は、コンプレックスの塊だった」
「フラットに付き合う」のがモットーだけど、猫は別
――エスムさんが「縁をつないできたコツ」ってありますか? エスムラルダ 自分から縁を切らないことかな。いろんな考え方があると思うけど、私は性格的に、なかなか自分から縁を切れないんです。それが結果的には良かったと思う。 ――とはいえ、マイナスの縁というのもありますよね。 エスムラルダ 本当に合わない人やものとは自然に距離ができていくので、基本的にはなりゆきに任せています。よほどのことがない限り、SNSでもブロックはしないし、アドレス帳全消しとかもやらないし、LINEのグループも自分からは抜けない。いまだに小学校の友だちや先生と年賀状のやりとりもしています。でも、そういうところから意外な縁が繋がったりもするんですよ。 あと、どんな人ともフラットに付き合うように心がけてるかな。どこかの会社の社長さんと知り合ったら「お仕事くださーい!」なんて冗談半分で言ったりはするけど、原則、相手の立場によって態度を変えたりはしない。 だって、私以外の人は全員、私とは違う人生を歩んでいて、絶対に私が知らない何かを知っているし、何かしら私にできないことができるでしょう? だからすべての人に対して、敬意とか興味みたいなものがあるんです。綺麗ごとっぽく聞こえるかもしれないけれど。 ――「誰にでもフラットに接する」というのも、エスムさんがしなやかに生きるコツでしょうか。 エスムラルダ そうね。そのうえで、どんな人にも丁寧に接するに越したことはないと思います。人生、いつ誰にどんな形でお世話になるかわからないからね。 だから、仕事でもプライベートでも、誰にでも、できるだけ無理難題を言ったり、不機嫌な態度をとったりしないように、誰もぞんざいに扱ったりしないように気をつけているつもり……なのだけど。どうかな。ちゃんとできてるかな? ――ドラァグクイーン界だと当たりが強そうな人もいそうですが。 エスムラルダ 確かにいる(笑)。こっちがハラハラするぐらい。でもね、本当はいい人なの! 面倒見もいいし。情の濃い人って、当たりがキツくなりがちなんですよね。逆に、みんなに優しいといわれる私みたいなタイプは、ある意味冷たいのかもしれないね。 ――猫と暮らしてらっしゃるそうですが、猫にもベタベタしないんですか? エスムラルダ いいえ! 猫にはすごくベタベタします。毎晩一緒に寝てるし、しょっちゅう「どうしてそんなにかわいいの」って言っちゃうし、むんずと掴んで無理やり抱っこしちゃうし。 ――猫との関係があるから、人間関係のバランスも取りやすいのでしょうか? エスムラルダ どうだろう。ただ、今まで付き合った相手にも見せてない部分も、猫にはたっぷり見せてますね。私が変な踊りを踊ってるのを、猫が醒めた目で見ていたりしてね(笑)! 写真=鈴木七絵/文藝春秋 INFORMATIONアイコン 近日のエスムラルダさん出演 or 脚本の予定 ●2024年12月29日(日)、30日(月) 「gaku-GAY-kai2024」(芝居「贋作・桜の園」出演&リップシンクショー) @シアター新宿スターフィールド ●2025年2月8日(土)~16日(日) 舞台「黒蜥蜴」(脚本担当) @こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(新宿) ●2025年2月21日(金) 「ザ★昭和歌謡フェス 八方不純祭2」(ライブ) @有楽町よみうりホール ●2025年3月19日(水)~23日(日) 「みんな同じ人間だねフェス」(ライブ) @シアターマーキュリー新宿
市川 はるひ