個人の起業家が「競合の少ない市場」を狙う2つのリスク
自分の商品・サービスの価格決定は、ビジネスの継続にかかわる重要なテーマ。しかし、女性起業家の多くが、相場よりも低めか、同じくらいにとどめてしまっているのが現状です。プライベートも多忙な女性ほど、高単価商品で勝負すべきというのは、起業家育成コンサルタントの吉田淑恵さんです。成功するための価格設定のポイントについて聞きました。 【表】ビジネスシーンで必要とされる敬語 ※本稿は、吉田淑恵著『さよならSNS集客』(秀和システム)より一部抜粋・編集したものです。
あえて競合ひしめく「レッドオーシャン」で勝負する
成功した競合がいる分野でビジネスをはじめることは、とくに個人で事業をする人にとっては、効果的な戦略です。 「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」という用語をご存じでしょうか? レッドオーシャンは競争が激化している分野を指し、ブルーオーシャンは競合がほとんどいない、またはまったくいない分野を指します。 大企業であれば資金や人材が豊富なので、ブルーオーシャンをねらう戦略も有効ですが、個人のビジネスにとってはリスクが高いと言えます。 ブルーオーシャンをねらうことのリスクは二つあります。 リスクの一つは、過去にだれかがその分野に挑戦したものの、撤退した可能性が高いこと。世の中には、自分だけが思いつくことはほとんどありません。たとえどんなにすぐれたアイデアでも、すでにだれかが挑戦して失敗している可能性が高いのです。 また、競合がいないということは、その分野に見込み客も少ない、あるいはまったくいない可能性もあります。 もう一つは、まったく新しい商品やサービスを提供するためには、顧客にその価値を理解してもらうための教育が必要になること。 たとえば、スマートフォンについて、「携帯電話にパソコンとデジカメの機能がついたもの」と説明されると、そのよさは簡単に理解できます。これは、すでに携帯電話やパソコン、デジカメが普及していたからこそ可能なのです。 しかし、まったく新しい概念を説明するのは困難であり、時間もコストもかかります。このような大規模な教育は、大企業に任せるのが賢明です。 スモールビジネスでねらうべきは、すでに成功している競合がいる分野の「0.5歩となり」です。 競合が成功している分野では、それらのサービスに対する不満が完全に解消されているわけではありません。競合の未解決の不満をあなたが解消することで、あなたの商品のよさが顧客に伝わりやすくなります。