京都国際、6安打で競り勝つ 僅差の甲子園初白星 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第5日の24日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、京都国際が延長戦の末に柴田(宮城)に5―4で勝利し、春夏通じて初出場同士の対決を制した。 【京都国際vs柴田の試合を写真特集で】 狙い澄ましたような右打ちを決め、一塁上からチームメートが沸き返る三塁ベンチに向かって拳を突き出した。延長十回、勝ち越しの右前打を放った京都国際の3番・中川。攻守においてチームの要となる右打者が、苦しめられてきた柴田・谷木の直球を捉えた。 京都国際は谷木について、カーブやチェンジアップ主体の投球スタイルとみていた。そのため序盤は変化球に的を絞ったが、予想外の直球中心の配球に手を焼いた。途中から直球狙いに切り替えたものの、「変化球が頭に残って(しっかりと)振らせてもらえなかった」と小牧監督。詰まらされて凡飛が続き、九回までは4安打に抑えられていた。 迎えた十回1死二塁。中川は2球目の直球をファウルした。仕留め損なったものの、「スイングが大きくなっているのでコンパクトにした」。3球目、同じコースへの外角直球を、今度は右腕で強く押し込んだ。力負けせず、強い打球が一塁手の左を抜けた。 創部した1999年夏の京都大会は初戦で0―34。五回コールド負けからのスタートだった。昨秋は京都大会の3位決定戦から近畿大会の1回戦、準々決勝と3試合連続で1点差で勝利をものにした。この日は14安打を記録した相手の半分以下の6安打ながら七回以降に5点を奪い、甲子園初勝利。やはり1点差で競り勝った。「うちのチームはああいう場面ばかりなので慣れている」と小牧監督。終盤にも力を発揮できるのが京都国際の強みだ。【藤田健志】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。