【解説】「これは虐待かも」AIが虐待深刻度を判定 相談電話の言葉「傷」などに反応し職員フォローも…児童相談所のAI活用最前線
国の取り組みと課題
国も、一時保護の判断に活用できるAIツールを開発中で、9月から実証実験を始めているが、虐待対応ならではの課題もある。AiCANの髙岡昂太代表取締役は、「アプリを国が一個作って渡したら解決するレベルの問題ではない」と警鐘を鳴らす。“地域差”のある児童虐待について、日本全国でデータを集めていくことについてはデメリットも大きいというのだ。 髙岡社長:「例えば、『野外放置』という事象は同じでも、極寒の地域で起きたのか、暖かい地域で起きたのかによって、事案の意味することが違ってしまう」 このように、信頼出来るデータをどう集めるかなど、AIを使う側への研修やガバナンスの強化が重要だという。
最終的な判断は人間に
港区・児童相談課の佐藤靖啓児童福祉係長は、「相談者と一緒に考え、苦しみ、寄り添いながら、最後は総合的に専門職としてしっかりと判断をしていく」と強調したうえで、「見過ごされて重篤な事案になっているケースに気付くために、AIの力を借りることは非常に有効だと思う」と力を込めた。 (取材・執筆:フジテレビ社会部 松川沙紀)
松川沙紀
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