現行型アルファード改良のニュースで乗り換えバブル発生の予感! ディーラーごとに異なる転売予防の「販売条件」を要チェック
アルファードは新車価格より高い中古車が売られている
大手中古車検索サイトをみると、発表時の新車での車両本体価格872万円のアルファード・エグゼクティブラウンジ4WDの2023年8月式が、走行距離5000km、エアロチューンしていない物件で車両価格1150万円にて掲載されていた。新車時価格より300万円高い値付けで販売されているのである。 発表時の新車での車両本体価格620万円のZグレード(HEV)では、2023年10月式走行9000kmの物件(エアロ装着なし)で車両価格975万円にて掲載されていた。ただし、前述したエグゼクティブラウンジも含めてオプション装着もあるので、単純に新車時価格を上まわったとはいえない。 3代目が新車販売されていたころも「アルファードバブル」などともいわれ、当時は需給体制も整っていたので、再販価値のよさも手伝い、納車後半年ほどのスパンで乗り換えを繰り返す「アルファード転がし」が横行していたが、現行型でもそれは同じ……それどころか、アルファードバブルはよりパワーアップしているようにも見える。 それもそのはず。現行型は発売当初に全国のディーラーに配車された初期ロットぶん以降はまとまった数の新車は供給されていないどころか新規受注停止も続いていたので、現行型が欲しいという人は中古車に走らざるを得ないのだから、需要と供給の関係を考えれば中古車価格の上昇は当然の結果ともいえるだろう。 「この中古車価格の上昇が販売現場を悩ませています。とくに現行型が下取り車となるケースでは、ディーラーの下取り査定では中古車相場を意識するとはいっても、原則は減価償却を加味した『査定基準価格』をベースに内外装の状態などで加減点して下取り査定額が決まるので、買取専業店など外部の買い取り価格にはとても追いつけないというのです(事情通)」。 3代目の「アルファードバブル」がもっとも過熱したころには、下取り査定額が新車販売価格を超えた時期もあったと聞いている。 現行型ユーザーの多くは3代目から乗り換えている人も多いので、すでに成功体験している人も少なくない。現状では支払い条件にもよるのだが、買取専業店に買い取りしてもらえば、ローンで現行型に乗っていたとしても、残債を相殺しても十分にお釣りが残り、それが改良型アルファード購入時の頭金となり、支払い負担の軽減に効果を発揮することになるだろう。 ただ、下取り予定車の転売禁止を改良型受注の条件にしているディーラーもあるので、改良型を検討しているユーザーは、自宅最寄りのトヨタ系正規ディーラーを複数まわり、改良型購入時の縛りがどうなっているのかを確認することからはじめたほうがいいようである(値引きは原則ゼロだろうし、あったとしても横一線でほぼ変わらないだろう)。 多くの地域ではいまだにトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店とわかれているので、筆者のところにも「対応がディーラーごとに異なっているようだ」といった話が届いている。
小林敦志