大谷翔平、1回目のTJ手術は「必ず来ると思っていたので何とも思わなかった。2回目のタイミングも良かった」
ドジャース・大谷翔平投手(30)が9日(日本時間10日)、オンラインでの取材に応じ、2年ぶりに二刀流として復帰する来季以降は、投手人生を懸けてマウンドに上がり続ける覚悟を口にした。昨年9月に2度目の右肘手術を経験。「現実的に見れば、やはり(右肘手術は)2回目くらいまでが投手としては理想」と“一線”を引いていることを示唆した。今年11月には左肩の手術も受けたこともあり、来年3月の開幕時のローテ入りは厳しくなったが、一日も早い完全復活への強い思いを激白した。 大谷が記録ずくめのシーズンを総括した。ド軍移籍を自身のインスタグラムで表明してからちょうど1年となる12月10日。23年9月に右肘手術を受け、今季は打者に専念。メジャー初の「50―50」(50本塁打&50盗塁)を達成して54発、130打点で2冠王にも輝いた。ワールドチャンピオンにも上り詰めた。 「新たな発見はいたるところにあった。新しいコーチ、選手たちといい発見が毎日ありました」 来季は二刀流として復帰する。すでに右肘手術を2度受け、今後は投手人生を懸けたマウンドとなる。二刀流にはこだわりはあるが、“背水の覚悟”も口にした。 「自分の中では二刀流というのを今までやってきて、長く続けたいという思いはある。ただ、どちらかにせざるを得ないタイミングがもし来たとしたら、どちらにしても対応できる準備をしっかりしておく必要があると思いますね。35歳を過ぎたあたりで3回目の(右肘)手術をして、復帰に1年かけてという領域に入っていくのが、正しい選択になるのかどうかはその時の自分のコンディショニングにもよると思うけど、現実的に見れば、やはり(右肘手術は)2回目くらいまでが投手としては理想なのかなと思っています」 誰も進んだことのない道を歩むが、そもそも右肘のトミー・ジョン(TJ)手術を受けることも予想していたというのが驚きだ。 「ある程度、想定をいろいろしていくことが大事。その中の一つとして、1回目のTJは必ず来ると思っていたので、そこは別に何とも思っていなかった。2回目のタイミングは30の終わりで2回目のTJをするより、逆に早い方がよかったのかなと思う部分も、今思えばある」 この日、ロバーツ監督は来年3月に東京Dで行われるカブスとの開幕シリーズの先発登板に否定的な見解を示した。大谷は「再発防止もかねて、慎重にいかないといけない部分もやはりある」と言いながら、選手としてあるべき姿を強調した。 「もちろんなるべく早く復帰するところに焦点を当てたい。開幕が選手としては一番早いところではあるので、そこに焦点を当てないと、と思っている」 球団はポストシーズンから逆算して、投手としての起用に制限をかけることは間違いない。それでも1球でも多く投げ、1打席でも多く立ちたいという野球少年のような純粋な思いを持ち続ける。11月には左肩手術を受けたが、米国でリハビリを続け、すでにキャッチボールは再開した。 「投げる方はある程度投げ始めている。(球速は)70マイル(約113キロ)くらい。まだシーズンは先なので、キャッチボールをしてという感じですかね。打撃の方はまだ構えるくらいの感じしかやっていない」 想像を超え続ける「大谷伝説」はまだ終わっていない。(安藤 宏太)
報知新聞社