データ分析初心者から中級者まで必読! データ活用の専門家が勧める10冊で悩みを解消
ビジネスにつながる「技術」の基本を理解したい
■ 『図解即戦力 ビッグデータ分析のシステムと開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(渡部徹太郎:著 技術評論社:刊) 本書は、副題に「ビッグデータ分析」や「開発」という言葉があるので、自分には関係ないと思われる方もいるかもしれない。しかし、本書を読んでおけば、技術者と議論をするための基礎知識が得られる。こちらも白井さんが紹介してくれた本だ。 白井さん たとえば、技術者でなくても、「システム上でデータがどう流れて、どうアウトプットされるのか」がわかる内容になっています。データが生成され、収集・蓄積されて、活用されるまでが明快な図で示されているので、理解の助けになると思います。
データアナリストとして、データ分析に向き合う姿勢を知りたい
■ 『解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法』(馬田 隆明:著 英治出版:刊) 電通の田中悠祐さんに紹介していただいた本だ。田中さんの仕事は、クライアントのマーケティング課題の解決のため、データを使った定量的な分析を通して、仮説を立て、施策の着眼点を見つけていくこと。そうした実務を行うなかで、データ分析に向き合ううえでの姿勢として、参考になるのがこの本だという。 本書では、深さ・広さ・構造・時間の4つの視点から物事の解像度を上げていく思考方法が紹介されている。 田中さん 解像度を上げるために、データ分析の場合はまずは深く掘り下げて分析していきます。データは数値でしかないので、浅い集計だと物事の表層しかわかりません。そこからさらに、二重、三重のクロス集計をする、別の分析手法を試す、セグメンテーションを変えるなどして、深掘りをしていきます。 さらに広げて分析するときには、これは広さなのか、構造なのか、時間なのかを意識することが重要です。なお、構造とはデータの構造を指しています。たとえば客単価のデータ構造を紐解いていくと、全体のターゲットに対しての認知度、男女比率、年代、興味・関心などによって、つながりが変わってきます。 企画や打ち合わせなどの場面でも「解像度が低い」「解像度を上げていこう」という言葉が使われるのを聞いたことがある人も多いと思う。田中さんは、その際には、深さ・広さ・構造・時間のいずれの解像度を上げるべきなのか、どういう手法で上げていくかを明確にするようにしているという。 ◇ ◇ ◇ ここで取り上げた10冊は、次の記事からセレクトしたものだ。ぜひ、元の記事も読んでみてほしい。 ・データアナリストが現場で使えるスキルを学ぶ8冊! ~GA4の知識・問題解決力・伝えて動かす力 インタビュイー:株式会社月曜日のトラ 代表取締役 西正広さん ・Web解析のプロ小川卓さんが推薦する、分析初心~初級者のための必携本5冊 インタビュイー:株式会社HAPPY ANALYTICS 代表取締役 小川卓さん ・データ活用が苦手な人にこそ読んでほしい! データ分析初心者から中級者になるための4冊! インタビュイー:株式会社メルカリ HR System&Data シニアデータアナリスト 諏訪ひと美さん ・マーケティングに役立つ「データ分析とビジネス」がわかる4冊! インタビュイー:株式会社メンバーズ 執行役員 兼 メンバーズデータアドベンチャーカンパニー カンパニー社長 白井恵里さん ・「マーケティングリサーチ」における「実践的な分析力」を培う6冊! インタビュイー:インタビュイー:株式会社電通 第2統合ソリューション局 データ・サイエンティスト 田中悠祐さん