京都御所で秋の特別公開、35年ぶり室内空間を再現
京都御所(京都市上京区)で27日、秋の特別公開「宮廷文化の紹介」が始まった。最も格式の高い正殿「紫宸殿(ししんでん)」では正面を通る特別な参観ルートが設けられ、高御座(たかみくら)と御帳台(みちょうだい)を見学できる。また清涼殿では平安時代から宮中行事として行われてきた「更衣(ころもがえ)」の様子を人形を用いて再現している。12月1日まで。 【写真】再現展示されている清涼殿の室内空間に見入る参観者 京都御所は通年公開しているが、秋と春の特別公開では普段見ることのできない部屋や調度などが公開される。 天皇の住まいである清涼殿の「西廂(にしびさし)」の調度を、宜秋門(ぎしゅうもん)番所に移して公開。調度は数年ごとに公開されるが、室内空間を再現した展示は35年ぶりという。 天皇が手を洗って身を清める「御手水(おちょうず)の間」からは、ネコやスズメが描かれた衝立や天皇が座る足付きの台「大床子(だいしょうじ)」などを展示。また天皇が食事をしたり身だしなみを整えたりする「朝餉(あさがれい)の間」からは、冠を入れる箱や髪を梳く際に使う水を入れる器などが並ぶ。 参観無料。雅楽や蹴鞠などの実演に加え、宮内庁京都事務所職員による見どころ解説やガイドツアーも行われる。入門は午前9時~午後3時20分(最終退出は午後4時)。(田中幸美)