「僕の中では“鬼ごっこ”なんです」バスケ富樫勇樹(31歳)が語った言葉の真意は? 世代交代、八村騒動…混沌続く代表チームで第一人者が思うこと
ロス五輪まで「どこまで楽しくチャレンジできるか」
そこまで話したうえで出てきたのが、冒頭のキーワードだった。 「この4年間、若い選手に追い抜かれず、どこまで楽しくチャレンジできるのか。4年後に向けた『鬼ごっこ』をしていくつもりでいるので」 そうやって自身の今後についてはユーモアを交えて表現する一方で、これから先に「まだやれるのに」と何回も言われることになるであろう盟友を思いやるあたりが富樫らしい。 「Bリーグでやっていて、『この選手には負けている』と思うようなことはほとんどなくて。比江島も、同じようなことを言っています。ただ、彼は今34歳で、次のオリンピックでは38歳になるので、それを考えると……」 もちろんパリ五輪に年齢を感じさせない超人がたくさんいたことは、指摘されずともわかっている。 「レブロン(・ジェームズ)、(ステフィン・)カリー、KD(ケビン・デュラント)とかもそうだし、ブラジルのガードの選手(マルセリーニョ・ウェルタス)も今は41歳ですか。それくらいの歳になっても、あれだけのプレーができる選手もいます」 大会時の年齢はレブロンが39歳、カリーが36歳、デュラントが35歳だった。富樫は次のロス五輪を、35歳で迎えることになる。 「これだけ長く、休みなく、各Windowにずっと出てきているので、大変だと思いますよ。言葉では簡単に『まだやれるでしょう』と言えるかもしれないけど、気持ちの部分だったりは、やはり難しいので」 バスケ界でもフィジカル面のレベルが上がっているため、世界的にリーグ戦で連戦が組まれることは少なくなっている。ただ、Bリーグは基本的に土日に同じチームとの連戦があり、さらに水曜日にも試合が組まれることが少なくない。世界的に見ても、選手の負担がかなり大きいリーグとなっている。 さらに、バスケ界では2019年W杯の予選から、サッカー界を参考に、シーズン中に国際大会の予選を行なう方式を採用した。サッカーの「国際Aマッチデー」にあたる期間が、バスケでは「WINDOW」と呼ばれ、シーズン中には基本的に3回ある。 どの道に進んだとしても、そこに正解は転がっている。その道を実りあるものにできるかどうかは、富樫や比江島の努力と生き方にかかっているのだ。
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