京都へ紅葉狩りに行こう!有名建築家たちがリピート通いしたくなる「京都の寺院・名園」のおすすめエピソード
建築家・早草睦恵さんが通う京都の寺院・名園
軽井沢で多数の実績をもつ別荘建築のエキスパート、早草睦惠さん。 数々の美しい景色を知る早草さんに、京都で訪れる寺院や名園を教えていただきました。 【大徳寺 高桐院】 臨済宗大徳寺派の寺院、大徳寺 高桐院。その庭園は「楓の庭」とも呼ばれ、参道ともども紅葉の名所として知られます。 「大徳寺は、紅葉が有名な禅宗のお寺ですが、自然の移ろいを体験するシークエンスが見事なので、季節の変わり目、時間を変えて、京都に行くときはよく立ち寄ります(ここ数年は改修中)。 四季折々、紅葉や苔、雪など自然が織りなす景色の変化が、見事にデザインに組み込まれています」と早草さん。 「エリアごとにさまざま植物が色で分けられています。門をくぐり、移動する毎に、色がダイナミックに変化する庭を体験。入口は、築地塀の土壁に囲まれた前庭スペースに苔と松が。 アプローチに沿って折れ曲がって門をくぐると、常緑の生垣で覆われた細長い通路があり、地面は苔、両側に紅葉が植えられています」 「紅葉の時期に続けて連日訪れたときです。初日は紅葉の赤い天蓋、下は苔の緑で赤と緑のコントラストが印象的でした。美しさに惹かれ、次の日も訪れたところ、雨の後に落ち紅葉となり、地面が一面深紅の絨毯に一変。さらに奥の門をくぐり内部に入ると、紅葉と苔の庭が続きます。その奥に細川ガラシャのお墓があるのですが、その前のあたりはクマザサが一面に植えられていて、クマザサの白い斑入り葉のコントラストが鮮やかでした。シークエンスに沿って、真っ赤な葉が落ちるという現象をドラマチックに組み込み、一夜にして赤と緑が反転する様子は鮮烈でした。自然の移ろいというときを織り込んだ抽象的でモダンともいえる作庭は、秀逸で日本ならではのものと思います」と印象的なエピソード教えてくれました。 【京都仙洞御所】 早草さんが予約が取れれば、足を運ぶという京都仙洞御所。17世紀初め、後水尾天皇が上皇された際に造営されました。 御殿は1854年に焼失しましたが、庭園・茶室などが現在でも残されています。京都仙洞御所は予約が必要ですが、京都御所は予約なしで拝観することができます。 「京都仙洞御所は、州浜の曲線が優雅で美しく印象的です。広大な敷地にゆったりとした白い州浜の曲線が結界をつくり、それをベースとして、紅葉や四季折々の植物の変化を愛でると豊かな気持ちになります。京都を訪ねるときに、スケールが対比的な作庭を体感したいこともあり、予約が取れれば、足を運びます」と早草さんはいいます。