京都へ紅葉狩りに行こう!有名建築家たちがリピート通いしたくなる「京都の寺院・名園」のおすすめエピソード
京都の紅葉が最も見ごろを迎える11月。京都の歴史ある寺院や名園と共に眺める紅葉は、より風情を味わうことができます。 空間のプロフェッショナルである建築家は、京都でどんな場所を訪れるのでしょうか? 全国各地で活躍中の建築家の方がお気に入りの寺院や名園の魅力をプロならではの視点で語ります。 【写真を見る】京都で紅葉を観たい!有名建築家がこっそりリピート通いする「京都の寺院・名園」
建築家・宇野友明さんが通う京都の寺院・名園
高い美意識で美しい建築を数々と手掛ける、ベテラン建築家・宇野友明さん。京都で訪れる寺院を教えていただきました。 【南禅寺】 宇野さんがよく訪れるという臨済宗南禅寺派の大本山の寺院、南禅寺。 四季折々の自然や、境内に立ち並ぶ重厚な堂宇や庭園など見どころがたくさんあり、連日多くの観光客が訪れます。 「特に南禅寺三門は数ある三門の中でも最も美しいものの1つ。建築的な美しさばかりでなく、その周囲の庭を含めた修景の絶妙なバランスはより一層三門の美しさを際立たせています。観光客の少ないときに訪れる南禅寺はまた別格の味わいが。三門の柱元に座り背を預ける。どこを見るとわなしに虚空を見上げる。その瞬間に意識は飛んで記憶のない時間を過ごす。自らの才能に挫折したとき訪れた南禅寺はそんな貴重な時間を私に与えてくれたことを今でも覚えています」と印象的なエピソードを語る宇野さん。
【詩仙堂】 臨済宗南禅寺派の大本山の寺院、詩仙堂も宇野さんがこっそりとリピート通いする場所。 江戸時代の文人・石川丈山の晩年を過ごした山荘跡であり、現在は曹洞宗大本山永平寺の末寺である詩仙堂では四季折々の趣が楽しむことができます。とくに初夏のサツキと秋の紅葉が有名。 「南禅寺も詩仙堂もそれぞれ日本の伝統的な建築文化の王道を継承しているものです。しかし、その佇まいは全く対照的。私が歩んできた建築の思索は、この極作の間を彷徨う迷走の旅路でもありました。そのときどきに生き詰まる度に励まされるときもあり、深く挫折を味わうときもありました」と宇野さんは語ります。