基準範囲内でも動脈硬化のリスクが…「総コレステロール値」は数値ではなく「ココ」を見よ!
隠された動脈硬化リスク
総コレステロール値が基準範囲に収まっていても、LH比が高いと動脈硬化のリスクが上がると言われています。 LH比とは、LDLコレステロールとHDLコレステロールの比で、次の式で計算されます。 LH比=LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値 健診結果にLH比が入っていなくても、この式を使って自分で計算できるはずです。 LH比に基準値は設定されていませんが、2.0以下なら正常、1.5以下が理想的と言われています。 仮にLDLが115、HDLが85としましょう。両方とも基準範囲内ですが、総コレステロール値は200を少し超える値(要注意)となってしまいます。しかしLH比は約1.35なので、大丈夫ということになるはずです。 LDLが100、HDLが40の場合(両方とも基準範囲内)は、総コレステロール値は140を少し超える程度で、基準範囲です。しかしLH比は2.5ですから、将来的には動脈硬化になりやすいかもしれません。 健診結果が返ってきたら、そして総コレステロール値が高いほうの要注意に入っていたら、むしろLH比に注目したほうがいいかもしれません。 『タマゴは1日1個まで⁉厚生労働省が作りあげた「タマゴとコレステロール」を巡る誤解』へ続く
永田 宏(長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授)