薬剤師「薬だけで高血圧は治せない。それどころか…」飲み始めたら一生やめられない<降圧薬>が招く健康リスクとは
厚生労働省が2017年に実施した「患者調査」によると、高血圧症で継続的に治療を受けていると推測される患者数は約993万人だったそう。癌や糖尿病と並ぶ“国民病”のひとつといえる高血圧ですが、薬剤師の加藤雅俊さんいわく「この60年ほどの間に高血圧の基準数値が何度か見直され、その度に患者数が増えてきた」とのこと。そこで今回は、加藤さんの著書『1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法: 薬に頼らず劇的改善!世界一ラクな降圧法』より一部引用、再編集してお届けします。 【図】最高血圧がこの数値を超えると、死亡リスクは右肩上がりに * * * * * * * ◆薬では高血圧は治せない 薬の専門家から言わせてもらえば、打撲のような急性疾患なら痛みを取るために薬の効果が発揮されますが、慢性疾患である高血圧の薬は、体質を変えて根本的に治療することはできません。 それどころか、服用の期間が長くなれば長くなるほど、人体に与える副作用の影響も蓄積して大きくなります。 ところが多くの場合、病院に行って高血圧の基準値を超えたという理由だけで降圧薬が処方されると、そこから薬との長いおつきあいが始まります。 しかし、それは本当に正しいのでしょうか。
◆長期服用の影響 例えば頭痛で病院に行ったときに、「頭痛薬は一生飲んでください」とは言われません。なのに「降圧薬は飲み始めたら一生やめることはできない」と言われます。 毎日血圧を測定していて、血圧が高い日に薬を飲むならまだしも「基準値よりも低い日でも飲まなければいけないの?」と疑問に思ったことはありませんか。 薬はあくまでも症状を和らげる対症療法で根本的な治療にはなっていません。さらに、薬の長期服用は副作用のほか、体の慣れでだんだんと効き目が悪くなる可能性もあります。そうなると、さらに強い薬が処方され、副作用の影響も強まります。 また、高血圧の根本的な原因を知らないまま降圧薬を飲んでいれば、結果的に重大な病気の進行を見逃す可能性のリスクも上がってきます。
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